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保守運用の第一前提 ― 長期的に困らない設計を最初からする

目安学習時間 12分

課題

全問正解でレクチャー完了です。

【問題1】

後から直すと高くつく理由として、この講座が挙げていないものはどれですか。

[選択肢]

【問題2】

この講座が「保守運用の第一前提」としているものはどれですか。

[選択肢]
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学ぶ目的

運用は「作ったあと」ではなく「作るとき」に決まる

講座34では、障害が起きたときにログを読み、原因を切り分け、一時対応して記録する方法を学びました。この講座はその先です。そもそも困りにくい形で作ることを扱います。

この講座の第一前提は1つです。

保守運用の第一前提は、長期的に困らない設計を最初からすること。

「運用は動き出してから考えればいい」と思いがちです。でも、運用で困ることの多くは、作るときに選んだ形から来ています。そして、その形は後から直すほど高くつきます。

なぜ後から直すと高くつくのか

理由は4つあります。どれも時間がたつほど大きくなります。

理由 何が起きるか 例
データが貯まる 直すときに、貯まった分まで移し替える必要がある 会員が1万人いる表に、必須の項目を足したい
読む処理が増える 1か所の形を変えると、それを前提にした画面・集計・通知を全部直すことになる 「状態」の値を1つ増やすと、その値を知らない集計が崩れる
人が入れ替わる なぜそうしたかを知る人がいなくなり、触るのが怖くなる サーバで直接変えた設定が、誰にも分からないまま残る
止められなくなる 利用者が増えると、直すために止めること自体が難しくなる 夜中に時間を決めて、メンテナンス表示を出して作業する

後から直して高くつく例

よくある例と、naminori で実際に起きたことを並べます。

  • ログに個人情報が残る(よくある例): 登録の画面で入力された氏名やメールアドレスが、そのままログに書かれる作りは珍しくありません。古いログを消す仕組みも無いと、気づいたときには何年分も貯まっています。直すにはログごと消すしかなく、それより前の調査の手がかりも一緒に失います(第6回)
  • 定期処理が6週間止まっていた: 失敗しても何も言わない設定だったため、誰も気づきませんでした(第4回)
  • OSとデータベースの更新: 古い版のサポート切れが近づき、深夜にメンテナンス表示を出して44分止めて更新しました。止める前提の作業には、事前の検証・バックアップ・戻し方の準備が要ります(第8回)

どれも、最初に「どう残すか」「どう気づくか」「どう更新するか」を決めていれば、小さく済んだものです。

最初に決める6つの問い

この講座では、機能を作るときに次の問いを先に考えます。

  1. 既存のデータと、どう両立させるか(第2・3回)
  2. 壊れたら、どうやって気づくか(第4回)
  3. 誰に、どの重さで知らせるか(第5回)
  4. あとで「いつ・誰が・何を」を追えるか(第6回)
  5. 設定はどこにあり、何をしたら消えるか(第7回)
  6. 戻せるか、更新し続けられるか(第8回)

全部を完璧にする必要はありません。後から足すと高くつくものだけは、最初に決めておく。それがこの講座の考え方です。

このレクチャーで学ぶこと

  • 保守運用の第一前提
  • 後から直すと高くつく4つの理由
  • naminori で後から直して高くついた例
  • 最初に決める6つの問い

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