SESの年収はいくら?未経験エンジニアのキャリアパスを徹底解説
執筆・監修: 徐 聖博/株式会社シンシア 代表取締役社長
エンジニアとしてキャリアをスタートする際、気になるのはやはり年収ですよね。特にSES(システムエンジニアリングサービス)という働き方は、その年収やキャリアパスについて様々な情報が飛び交い、不安を感じる方もいるかもしれません。
目次
SESの年収はいくら?未経験エンジニアのキャリアパスを徹底解説

エンジニアを目指すとき、口には出しにくいが誰もが気にするのが年収だ。とりわけSES(システムエンジニアリングサービス)という働き方については、ネットを開くたびに「稼げる」「やめておけ」と正反対の声が飛び交う。何を信じればいいのか、かえって不安になった人もいるだろう。
そこで、SESエンジニアの実際の年収がどのあたりに落ち着くのか、そしてそこからどう引き上げていけるのかを、順にたどっていく。
未経験からエンジニアを目指す方が、これからのキャリアを描くときの手がかりになれば幸いだ。どうか最後まで付き合ってほしい。
SESエンジニアのリアルな年収事情

まず数字を出そう。SESエンジニアの平均年収は、おおむね350万円から400万円程度とされる。ただし、この数字を鵜呑みにすると足をすくわれる。あくまで真ん中の値であって、実際の年収は経験年数やスキル、契約の形によって、上にも下にも大きく振れる。
「SESは他の職種より低い」という声も根強い。たしかに入り口の数字だけを見れば、そう映る。だが、経験を積めば引き上げる余地は十分にある。だからこそ、まず現在地を正しくつかみ、そこからどう上っていくかを考えたい。
そもそもSESエンジニアとは?働き方と案件の実態
年収の話に入る前に、SESエンジニアという働き方の輪郭を押さえておきたい。ここが曖昧なままだと、目にする数字の意味もぼやけてしまう。
SESは準委任契約にもとづく契約形態だ。所属するのはSES企業で、実際に働くのは客先の現場。給与はSES企業から支払われ、業務の遂行そのものに対して対価が発生する。成果物の完成を約束する請負とは、そこが決定的に違う。契約の細かな違いはSESとはやSESと派遣の違いでも整理されているので、あわせて目を通しておくと理解が早い。
SESエンジニアの一日と現場の風景
朝は客先に出社し、常駐先のチームで朝会に出る。タスクを受け取り、コードを書くかテストを回すか、あるいは運用監視の画面に向かう。夕方に進捗を報告して終業。日々の流れだけを取り出せば、自社勤務のエンジニアと大きくは変わらない。
違いが出るのは、指揮命令の線引きだ。準委任である以上、客先が直接指示を出すことは本来できない。実務では自社のリーダーを介して仕事が流れる形になる。ここが崩れている現場は、いわゆる偽装請負に近づく。見学や面談の段階で、指示系統がどうなっているかは確かめておきたい。
案件の中身はどこまで幅がある?
SESの案件と一口に言っても、中身は驚くほど幅広い。
- テスト・検証:手順書に沿った動作確認、エビデンス取得
- 運用・監視:サーバーやネットワークの死活監視、障害の一次対応
- ヘルプデスク:社内システムの問い合わせ対応
- 開発:詳細設計から実装、単体テストまで
- 上流:要件定義、基本設計、顧客との折衝
未経験で入った直後は、上の三つのどれかに配属されることが多いと言われる。ここで止まるか、開発や上流へ進めるかが、その後の年収を大きく分ける。つまりSESの年収を考えることは、どの層の案件に立てるかを考えることとほぼ同じだ。
SESが向く人・向かない人
短いスパンで環境が変わることを面白がれる人には、SESは悪くない。複数の業界、複数の技術、複数のチーム文化を、数年で一気に浴びられる働き方はそう多くない。
逆に、一つのプロダクトを腰を据えて育てたい人や、環境の変化が負担になる人には合いにくい。「やめとけ」という評判の中身を先に知っておきたいならSESはやめとけが参考になるし、会社選びの物差しは優良SES企業の見分け方にまとまっている。
SESエンジニアの平均年収

同じSESでも、年代、経験とスキル、契約の形、働く地域で、手取りは驚くほど変わる。どの要素がどれだけ効くのか、一つずつ数字で確かめていこう。
年代・経験年数別
年代と経験年数で、平均年収はこれだけ動く。
- 20代:250〜400万円
- 30代:400〜450万円
- 40代:450〜500万円
- 50代:500〜600万円
- 1〜3年(新人・若手):250~350万円
- 4〜7年(中堅):300~450万円
- 8年以上(ベテラン):400〜600万円
20代のうちは、どうしても経験が浅い。年収は低めで、200万円台から始まることが多い。ところが、ここからの伸びが大きい。経験とともに任される案件の幅が広がり、30代に入るころには400万円程度まで上がってくる。
40代以降は、管理職や高度な専門職に就く人が増える。年収500万円以上も、現実的な射程に入ってくる。
表にすると、年代と経験年数の重なり方が見えやすい。
| 年代 | 年収の目安 | 中心となる役割 |
|---|---|---|
| 20代 | 250〜400万円 | テスト・運用・実装の一部 |
| 30代 | 400〜450万円 | 開発の主戦力、リーダー補佐 |
| 40代 | 450〜500万円 | リーダー、上流、管理 |
| 50代 | 500〜600万円 | 管理職、高度専門職 |
| 経験年数 | 年収の目安 | 立ち位置 |
|---|---|---|
| 1〜3年 | 250〜350万円 | 新人・若手 |
| 4〜7年 | 300〜450万円 | 中堅 |
| 8年以上 | 400〜600万円 | ベテラン |
同じ30代でも、経験3年と経験10年ではまったく別の相場に乗る。年齢そのものより、積み上げた年数と担当してきた工程が効いている、と考えたほうが実態に近い。
30代SESエンジニアの年収は?
検索でもっともよく尋ねられるのが、この一点だ。結論から言えば、30代SESエンジニアの年収はおおむね400〜450万円が中心帯とされる。ただし、この一本の数字で片づけると判断を誤る。30代は、それまでの積み上げ方によって年収の散らばりが最も大きくなる年代だからだ。
前半と後半でも景色が違う。
| 区分 | 年収の目安 | よくある状況 |
|---|---|---|
| 30代前半・経験3年未満 | 330〜400万円 | 転職や未経験入社から日が浅い |
| 30代前半・経験3〜7年 | 400〜480万円 | 開発工程の主戦力 |
| 30代後半・経験7年以上 | 450〜550万円 | リーダー、設計、後進育成 |
| 30代・上流や高需要領域 | 550〜700万円 | 要件定義、クラウド、データ領域 |
スキル領域で切っても、差ははっきり出る。
| スキル領域 | 30代の年収目安 |
|---|---|
| テスト・運用監視中心 | 330〜420万円 |
| Java・PHPなどの業務開発 | 420〜520万円 |
| クラウド(AWS・Azureなど) | 500〜650万円 |
| セキュリティ | 500〜700万円 |
| 機械学習・AI、データ基盤 | 600〜800万円 |
いずれも案件や地域で上下する目安であり、保証された数字ではない。それでも傾向は読み取れる。運用・監視の層に留まったまま30代を過ごすと年収は伸びにくく、開発から上流、あるいはクラウドやAI領域へ移った人が上へ抜けていく。
30代で年収を上げる、あるいはSESから抜け出す選択肢
30代は、動くには十分に間に合う年代だ。取れる手は、大きく四つある。
一つめは、自社開発企業への転職。SESで積んだ実務経験を持ち込めば、書類段階で「未経験」とは扱われない。相場は500〜700万円程度とされ、単純な移籍で年収が100万円前後動くこともある。受託との違いを整理したい人は自社開発と受託開発の違いを先に読んでおくといい。
二つめは、フリーランスとしての独立。中間マージンが消えるぶん、同じ働きでも手元に残る額が増える。月単価60〜80万円の案件に継続して入れれば、年収700万円台も見えてくる。ただし営業も経理も自分持ちで、空白期間の補償もない。実務7年程度の蓄積と、半年は無収入でも耐えられる現金。この二つが揃ってから考えたい。
三つめは、上流工程へのシフト。詳細設計から基本設計へ、基本設計から要件定義へ。担当する工程が一段上がるだけで、単価はまとまった幅で上がる。30代前半のうちに設計書を書く側へ回っておくと、後半の選択肢が目に見えて広がる。
四つめは、クラウドやAI領域へのスキル転換。AWS認定などの資格は、経験の裏づけとセットにすれば単価交渉の材料になる。順番に迷うならAWS資格おすすめの順番やエンジニアにおすすめの資格7選が手がかりになる。年収の上限をどこまで押し上げられるかは、エンジニアで年収1000万も参考になるはずだ。
どれを選ぶにせよ、共通するのは「今いる層から一段上の案件に手を伸ばす」という動き方だ。待っていて単価が上がることは、まずない。
30代未経験からSESに入る場合の現実
ここは正直に書いておきたい。30代未経験でSESに入る場合、初年度の年収は300〜350万円あたりに着地することが多いと言われる。20代未経験と大きくは変わらない、あるいはやや上、という水準だ。前職の年収が高かった人ほど、いったん下がる覚悟がいる。
とはいえ、不可能な挑戦ではない。前職で培ったものが効くからだ。金融、医療、物流、製造。業務知識を持つ人は、その業界の案件で重宝される。顧客折衝や進行管理の経験があれば、なおさら評価される。技術だけで20代と競うのではなく、業務理解と社会人経験を掛け合わせる。それが30代未経験の勝ち筋になる。
回復のスピードも押さえておきたい。実務2〜3年で400万円前後、5年で450〜500万円というのが一つの目安とされる。つまり前職の水準に戻るまで、おおよそ3年前後を見込んでおくと計画が崩れにくい。この年代特有の壁と越え方は30代から未経験でエンジニアにも詳しい。
学習を先に済ませておけるなら、そのほうが有利だ。応募前に基礎を固めておきたい人は学習講座から入るのも手だし、どんな求人が実在するのかを先に見ておきたいなら求人一覧を眺めてみてほしい。求人票の見方に不安があるなら未経験求人は怪しいも読んでおくと、危ない募集を避けやすくなる。
スキル・職種別
年収を左右するのは年齢だけではない。何ができるかで、相場そのものが変わる。スキル別の目安を並べてみる。
スキル別年収相場
- モバイルアプリ開発(iOS・Android):400〜600万円
- クラウド系(AWS・Azure・GCPなど):500〜700万円
- セキュリティ系:500〜700万円
- 機械学習・AI系:600〜800万円
表にないものでも、JavaやPythonのように需要の高い言語を押さえておけば、高単価の案件に手が届きやすくなる。それがそのまま年収の上積みになる。
プロジェクトマネージャーやITコンサルタントのように、上流を担う職種はさらに上を狙える。スキルを磨いて市場価値の高いポジションを目指せば、SESという枠のなかでも年収は伸ばせる。
契約形態別
契約の形でも数字は動く。正社員のSESエンジニアなら相場は「300〜800万円」。これがフリーランスになると、1,000万円に届く人も出てくる。
ただし、数字の大きさに目を奪われないほうがいい。フリーランスは案件の単価しだいで収入が上下し、思ったより稼げない月も出てくる。その点、正社員としてSES企業に属していれば、収入が安定するのは大きな安心材料だ。
働き方や収入は契約の形にも左右される。とはいえ、最後にものを言うのは、結局そのエンジニアの実力と市場価値だ。
地域別
住む場所でも、これだけの差が出る。
- 首都圏(東京・神奈川):450〜650万円
- 関西圏(大阪・京都):400〜550万円
- 地方都市:300〜450万円
東京を中心とする首都圏には、IT企業も大規模プロジェクトも集まっている。仕事の総量が多いぶん、年収の水準も高くなりやすい。大阪や名古屋といった大都市圏も、地方に比べれば恵まれている。
一方、地方都市では首都圏より低くなりがちだ。背景には、企業や案件の規模、そして地域ごとの物価の違いがある。
ただし、これも一律ではない。地方でも、尖った専門スキルを持つエンジニアは好待遇で迎えられる。地方勤務を考えるなら、その土地のIT市場の動きや企業の顔ぶれを、あらかじめ調べておきたい。
SESの年収が低いと言われる理由

「SESは年収が低い」という評判には、実は理由がある。多重下請けの構造、案件の合間に生まれる待機期間、そしてスキル不足。これらが絡み合って、数字を押し下げている。一つずつほどいていこう。
多重下請け構造で中間マージンが発生する
SES業界では、多重下請けが当たり前になっている。これが、年収を低く見せる最大の要因の一つだ。
仕事は、元請けから一次請け、二次請け、さらにその下へと流れていく。そのつど、各社が取り分を抜いていく。現場で実際に手を動かすエンジニアが受け取るのは、元請けが得た金額から中間マージンを何段も差し引いた、残りの額だ。低くなるのも無理はない。
下流の企業にいるほど、この影響は大きい。同じ腕前でも、どの位置の会社に所属しているかで収入が変わってしまう。
待機期間中は収入が下がる
もう一つの理由が、待機期間の収入減だ。
SESの仕事は、プロジェクトごとに契約を結ぶ。だから、一つの案件が終わってから次が決まるまでに、空白の期間が生まれることがある。この待機中は給与が減らされることが多く、年収をぐっと押し下げる。
会社によっては、待機中も給与の一部(基本給の数割など)が出る。ただし満額が支払われるケースは稀だ。空白が長引けば月収は大きく削られ、年収にもはっきり跳ね返る。
しかも空白の長さは、本人のスキルや経験、そのときの市場の状況で変わる。収入を一定に保ちにくいこと。これも、SESが低いと言われる一因になっている。
スキル不足による低単価案件への参画
三つめは、スキル不足による低単価案件への参画だ。
スキルや経験が足りないうちは、高単価の案件にはなかなか手が届かない。結果として、単価の低い案件を引き受けざるを得なくなる。経験が浅い人や、これといった専門性を持たない人ほど、この流れにはまりやすい。
厄介なのは、ここに悪循環が潜んでいることだ。低単価の案件ばかりでは収入が伸びないうえ、成長の機会も乏しく、年収を上げる糸口をつかめない。だからこそ、意識してスキルを磨き、市場価値の高い人材へと自分を押し上げていく必要がある。
SESエンジニアと他ポジションとの年収比較

ここまで見たとおり、SESの年収は一般的なシステムエンジニア(SE)に比べると低めに出る。ただ、SESには「未経験からでも入りやすい」という、他にはない強みがある。ここで経験を積み、他のポジションへ移って年収を引き上げる。この道筋は、十分に描ける。
SESから次に移れる先として、SIer、社内SE、自社開発企業。それぞれの平均年収を見比べてみよう。
SIerの平均年収
SIer(システムインテグレーター)とは、システムの受託開発を担う企業の総称だ。ここで働くエンジニアの平均年収は、おおむね400万円〜650万円程度。大手や外資系ともなれば、1000万円を超える人も珍しくない。
SESからSIerへ移り、年収を上げるエンジニアは多い。有力なキャリアパスの一つだ。ただし、SIerは案件の規模が大きく、扱う範囲も広い。そのぶん、求められる技術も背負う責任も重くなる。
SEの平均年収
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によれば、システムエンジニアの平均年収は約550万円。もっとも、これも平均にすぎない。企業の規模や業種、担当する仕事、そして個人のスキルと経験で、上下する。
なかでも、大企業や金融機関の情報システム部門で働く社内SEは、比較的高い収入を得やすい。自社システムの企画から開発、運用、保守まで幅広く担うぶん、求められるスキルも多彩になる。
自社開発企業での平均年収
自社開発企業のエンジニアは、SIerやSESより平均年収が高くなりやすい。自社のサービスやプロダクトを直接つくるため利益率が高く、その分がエンジニアにも還元されやすいからだ。
具体的な水準は、企業規模や業種、本人のスキルと経験で大きく変わるが、目安は500万円〜700万円程度。東証プライムに上場するような大手になると、平均が800万円を超える例も少なくない。
しかも自社開発の現場は、使う技術を自分たちで選べる余地が大きく、新しい技術に触れる機会も多い。エンジニアとして腕を伸ばしやすい環境だといえる。
四つの働き方を並べると、差の理由がはっきりする。
| 働き方 | 平均年収の目安 | 年収を決める主因 |
|---|---|---|
| SES | 350〜400万円 | 契約単価と中間マージン |
| SIer | 400〜650万円 | 案件規模と役職 |
| 社内SE | 500〜600万円 | 企業の規模と業種 |
| 自社開発 | 500〜700万円 | プロダクトの利益率 |
同じ技術力でも、どこに所属しているかで100万円単位の差がつく。これがSESの年収を考えるうえでいちばん重要な事実かもしれない。職種ごとの相場をより広く見たい人はエンジニアの年収を、働き方の中身を知りたい人は社内SEをあわせて読んでおくといい。
SESで年収アップを実現させる方法

SESにいながら年収を上げる手立ては、一つではない。自分の市場価値を高めつつ、キャリアアップにつながる転職も視野に入れる。この両輪で、着実に数字を押し上げていきたい。
スキルアップによる市場価値の向上
何より効くのは、スキルを磨いて自分の市場価値を上げることだ。
新しい技術を学び続け、腕を磨いていけば、市場から求められるエンジニアへと近づく。価値が上がれば、より高単価な案件に手が届き、年収も後からついてくる。とりわけ、専門性の高い資格の取得は、SESエンジニアにとって最も割のいい投資の一つだ。
日々の業務で経験を積むだけでは足りない。自分から進んで学び、スキルを更新し続けること。それが、遠回りに見えて年収アップの近道になる。
高単価案件の獲得
スキルを磨きながら、それを高単価の案件につなげる工夫も要る。高単価の案件は、たしかに高い技術や経験を求めてくる。それでも、腕を上げていけば手は届く。
そのためには、自分の実力を示すポートフォリオを用意し、案件を取りにいく動きも欠かせない。人とのつながりを広げて業界の情報を集めておくと、思わぬ高単価案件に巡り合うこともある。手を動かして見せる材料をどう作るかはポートフォリオ作り方が、経歴の見せ方は職務経歴書の書き方が助けになる。
単価と年収の関係を理解しておく
年収アップを狙うなら、自分の単価がいくらで、そのうちいくらが給与になっているかを把握しておきたい。ここを知らないまま働き続けるのは、値札を見ずに買い物をするようなものだ。
一般的な目安として、月額単価に対する還元率はおおむね60〜70%程度と言われる。単純化すると、年収の見当はこう立つ。
| 月額単価 | 年収の目安(還元率60〜70%) |
|---|---|
| 40万円 | 290〜340万円 |
| 50万円 | 360〜420万円 |
| 60万円 | 430〜500万円 |
| 70万円 | 500〜590万円 |
| 80万円 | 580〜670万円 |
会社の利益や社会保険料の負担、待機補償の有無で実際の数字は前後する。あくまで概算だ。それでも、この換算を頭に置いておくと動き方が変わる。年収を50万円上げたいなら、単価を7〜8万円上げるか、還元率の高い会社へ移るか。取るべき手は、この二つに集約されていく。
自分の単価を教えてくれない会社もある。そこを開示してくれるかどうかは、会社の姿勢を測る物差しにもなる。判断に迷うなら優良SES企業の見分け方を参考にしてほしい。
キャリアアップを見据えた戦略的な転職
もう一手、キャリアアップを見据えた戦略的な転職も効いてくる。
転職では、目先の給与だけで飛びつかないほうがいい。将来の道筋を見据え、自分のスキルと経験が活きる企業を選ぶことが肝心だ。とりわけ、上流工程やマネジメントの経験を積める会社への移籍は、その後の年収を大きく引き上げる。
こうした転職を一人で進めるのは骨が折れる。転職サイトやエージェントを使い、キャリアプランを相談しながら市場や企業の情報を集めれば、より有利な条件を引き出しやすい。
転職活動そのものが、自分の市場価値を測り直し、これからの道筋をはっきりさせる機会にもなる。目先の年収だけでなく、その先のキャリアまで見据えて動きたい。
SESエンジニアのキャリアプランと将来性

SESは、経験を重ねるほどに進める道が枝分かれしていく。将来性という観点から、その広がりを見ていこう。
SESから描けるキャリアパス
いろいろなプロジェクトを渡り歩くSESだからこそ、身につくスキルの幅も広い。その幅が、そのまま進路の選択肢になる。
一つの技術を突き詰めてスペシャリストになる道。複数の技術を束ねてフルスタックエンジニアとして立ち回る道。あるいは、プロジェクトリーダーとしてマネジメントを覚え、上流へ踏み込んでいく道もある。
SESで鍛えた技術と経験を携えて、自社開発企業へ移る道も開けている。ここで積んだものは、後のキャリアの選択肢を広げる土台になる。
自社開発企業のSEとして高収入を実現する
SESで足場を固めたあと、自社開発企業のSEとして高収入を狙う。これも有力な一手だ。自社のサービスやプロダクトをつくる現場では、技術をより深く掘り下げられる。
会社によっては、ストックオプションや業績連動のボーナスが用意されていることもあり、収入を伸ばしやすい。SESで積んだ多彩なプロジェクト経験は、こうした現場でも即戦力として高く評価される。
とりわけ、Webサービスやアプリ開発、クラウド関連の経験は、多くの自社開発企業が欲しがるスキルだ。自分の描く将来に合わせて移籍を考えれば、年収アップとキャリアアップを同時に手にできる。
フリーランスエンジニアとして独立する
経験を十分に積んだうえで、フリーランスとして独立する。これもまた、キャリアと収入の両方を伸ばせる魅力的な選択肢だ。
独立すれば、働く時間も場所も案件も、自分で選べる。さらに、クライアントと直接契約するため、あいだで引かれていた中間マージンが消える。そのぶん、収入は上がりやすい。
ただし、いいことばかりではない。案件の獲得も契約交渉も確定申告も、すべて自分でこなす。自己管理の力も、人と交渉する力も問われる。独立を考えるなら、準備と計画を十分に整えてからにしたい。
未経験からSESエンジニアに転職する際の注意点

未経験からSESを目指す一歩は、その後のキャリアを大きく左右する。だからこそ、飛び込む前に見ておきたい点がある。教育体制、任される仕事の中身、そして会社の経営状況。後悔しないために、順に確かめていこう。
教育体制が整っているか
まず外せないのが、企業の教育体制だ。未経験者を迎え入れる準備ができているか、入社後の研修や育成プログラムがきちんと用意されているかを確かめたい。
研修の中身、期間、その後のフォロー体制まで事前に押さえておけば、入社してからの「思っていたのと違う」を減らせる。現場でのOJTだけでなく、外部研修への支援や資格取得の補助まであれば、体系立てて力をつけられる環境といえる。
逆に、体制の整っていない会社では、現場に配属されたきり放っておかれることも珍しくない。ここは慎重に見極めたい。
自己成長に繋がる業務内容なのか
未経験から伸びられるかどうかは、どんなプロジェクトに配属されるかで決まる部分が大きい。自分の目指す技術領域や開発フェーズに関われるか、専門性の高い技術に触れる機会があるかを確かめておきたい。
初歩的な作業ばかりの現場では、市場で評価されるスキルが身につきにくく、その後の飛躍にもつながりにくい。要件定義や設計といった上流に関われる見込みがあるかどうかも、大事な判断材料になる。
面接では、具体的な仕事の内容やこの先のキャリアパスまで踏み込んで質問し、納得できた会社を選びたい。
会社が利益を出しているか
見落としがちだが、所属先が安定して利益を出しているかも、しっかり確かめておきたい。
利益の乏しい会社は、エンジニアへの還元も薄く、給与が低くなりがちだ。しかも経営が不安定なら、将来倒れてしまう恐れもある。会社の業績は、ホームページや決算公告で公開されている。転職活動のうちに、必ず目を通しておこう。
SES転職を成功させるには転職支援サービスの活用が必須

SESへの転職を実らせたいなら、転職支援サービスの力を借りない手はない。求人を紹介してくれるだけでなく、キャリア相談から応募書類の添削、面接対策、企業との条件交渉まで、活動のほぼ全体を支えてくれる。
特にSESでは、自分のスキルや経験をどう見せるか、どんなキャリアを描けるかで迷う場面が多い。転職支援サービスはIT業界の動きや企業の内情に通じているため、一人ひとりの状況に合わせて、的確な助言をくれる。
転職サービス「ナミノリ」では、未経験からエンジニアを目指す方へ最適なキャリアプランの提案から、あなたにあった優良企業への入社までサポートを行っています。ご相談から内定まで完全無料でご利用できますので、お気軽にお問い合わせください。
よくある質問
最後に、SESの年収をめぐってよく寄せられる疑問に答えておく。
30代未経験でSESに入るのは遅いですか?
遅すぎるということはない。30代未経験の採用は実際に行われており、SESは未経験者の受け入れ口として機能してきた。ただし20代に比べて選考の目が厳しくなるのは事実で、志望動機と学習の実績をより丁寧に求められる。
現実的な線としては、30代前半なら選択肢はまだ広く、30代後半になると前職の業務知識やマネジメント経験を絡めた売り込みが必須になる、と考えておきたい。詳しくは30代から未経験でエンジニアにまとまっている。
SESで年収500万円は可能ですか?
可能だ。ただし条件がつく。実務経験がおおむね5年以上あり、設計以上の工程を担当できること。加えて、クラウドやセキュリティのような需要の高い領域を押さえていること。この二つが揃えば、SESに所属したままでも500万円台は射程に入る。
逆に、テストや運用監視の案件だけを続けている場合、500万円に届くのは難しいと言われる。年収が伸び悩む構造そのものを知りたいならエンジニアが稼げない原因も読んでおきたい。
SESの単価と年収の関係はどうなっていますか?
月額単価の6〜7割程度が給与に回るのが一つの目安とされる。月単価60万円の案件に一年通して入っていれば、年収430〜500万円あたりが計算上の目安になる。
残りは会社の利益、社会保険料の会社負担分、待機期間の補償原資などに充てられる。還元率は企業によって差が大きく、同じ単価でも所属先が変われば年収が数十万円動く。ここは会社選びで最も効く要素の一つだ。
40代SESエンジニアの年収はどのくらいですか?
40代の平均は450〜500万円程度とされる。この年代になると、個人差が年代差を上回る。
リーダーやプロジェクトマネージャーとして上流を担っていれば600万円以上も現実的だ。一方で、実装や検証の担当を続けている場合、40代でも400万円前後に留まることがある。年齢が上がるほど「若手でもできる作業」の価値は相対的に下がる。40代で年収を伸ばしたいなら、マネジメントか高度な専門性か、どちらかに軸を寄せる判断が要る。
SESから自社開発企業に転職できますか?
できる。実際、SESから自社開発への移籍はよくあるキャリアパスだ。
鍵になるのは、実装経験の中身だ。設計から実装まで一貫して担当した経験、モダンな技術スタックに触れた経験、チームで開発を回した経験。この三つがあると通りやすい。逆に、テストや監視のみの経歴では書類で苦戦しやすい。SESにいる間に、開発工程の案件へどう移るかを意識しておきたい。自社開発と受託開発の違いを押さえたうえで、求人一覧で実際の募集要件を確認しておくと、足りないものが具体的に見えてくる。
SESはやめたほうがいいと言われるのはなぜですか?
多重下請けによる中間マージン、待機期間の収入減、配属先を選びにくいこと。この三つが主な理由だ。どれも本記事で触れたとおり、根拠のない批判ではない。
ただし、すべてのSES企業が同じではない。単価を開示する会社、待機中も給与を保障する会社、案件を選べる制度を持つ会社もある。「SESだから駄目」ではなく「どのSESか」で判断したい。詳しい論点はSESはやめとけに整理されている。
未経験からSESに入ったら、何年で年収400万円に届きますか?
一つの目安として、実務2〜3年というのがよく挙げられる。ただしこれは、開発工程に関われた場合の話だ。
配属が運用監視のまま動かなければ、3年経っても350万円前後に留まることがある。年収の伸び方を決めるのは在籍年数ではなく、担当してきた工程だ。入社1年目のうちから、次にどの案件へ移りたいかを社内に伝え続けること。それが結果的にいちばん効く。学習面の土台を固めたいなら学習講座から着手するのも一手だ。
まとめ

SESの年収の実像から、そこから描けるキャリア、転職で見るべき点まで見てきた。最後に、要点を手元に引き寄せておこう。
未経験からSESへ移ることは、キャリアを切り替える有効な手段だ。ただし、その後の道を左右する選択でもある。だからこそ、事前の情報収集と準備が欠かせない。教育体制は整っているか、成長につながる仕事か、会社は安定して利益を出しているか。確かめるべき点は、思いのほか多い。
そして、その活動を有利に運ぶうえで、転職支援サービスは頼りになる。こうした点を押さえ、企業を慎重に選び、準備を整えて臨む。そうすれば、未経験からでもSESエンジニアとして充実したキャリアを築ける可能性は、確かに高まっていく。
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