エンジニアを目指す人へ 2025.05.20

システムエンジニアの種類とは?仕事内容や将来性を徹底解説

「システムエンジニア」と一口に言っても、その種類は多岐にわたります。どのような種類があるのか、それぞれどのような業務内容なのか、知らない人も多いのではないでしょうか。

システムエンジニアの種類とは?仕事内容や将来性を徹底解説

コーディング作業をしている男性

「システムエンジニア」と一口に言っても、その種類は多岐にわたります。どのような種類があるのか、それぞれどのような業務内容なのか、知らない人も多いのではないでしょうか。

この記事では、システムエンジニアの様々な種類とそれぞれの仕事内容、必要なスキル、そして将来性について、エンジニア転職の専門家の立場から徹底的に解説します。未経験からシステムエンジニアを目指す方のためのロードマップも紹介しますので、ぜひキャリアプランの参考にしてください。

また、未経験者や初心者からのITエンジニア転職に特化した転職プラットフォームのナミノリでは、未経験者に向けたエンジニアの求人を未公開の求人も含めて多数紹介しています。システムエンジニアの求人を探している方は、ぜひご活用ください。

システムエンジニアとは?仕事内容と役割を解説

パソコンでWebサイトを構築中の男性の手元

まずは、システムエンジニアという職種の全体像を把握しましょう。

システムエンジニア(SE)の定義

システムエンジニア(SE)とは、クライアントの要望に基づき、情報システムの設計、開発、運用、保守を行うITエンジニアの総称です。

クライアントのビジネス課題を解決するために、最適なシステムを提案し、実現することが求められます。システムエンジニアの業務全体で考えると非常に幅広い知識とスキルが必要とされるため、専門分野に特化した様々な種類のシステムエンジニアが存在して分担しています。

システムエンジニアとプログラマーの違い

システムエンジニアとプログラマーは混同されやすいですが、役割が異なります。

プログラマーは、システムエンジニアが作成した設計書に基づいて、プログラミング言語を用いて実際にシステムを構築する役割を担います。

一方、システムエンジニアは、クライアントとの要件定義、システムの設計、プロジェクトの管理など、プログラマーよりも上流の工程を担当します。

プログラマーは、システムエンジニアの指示のもと、開発作業の一部を担うことが一般的です。

システムエンジニアの仕事内容

システムエンジニアの主な仕事内容は以下の通りです。

  1. 要件定義:クライアントの要望をヒアリングし、システムに必要な機能を明確にします。
  2. システム設計:要件定義に基づいて、システムの基本設計、詳細設計を行います。
  3. プロジェクト管理:開発スケジュール、予算、人員などを管理し、プロジェクトを円滑に進めます。
  4. テスト:開発されたシステムが要件を満たしているか、不具合がないかなどをテストします。
  5. 運用・保守:システムの安定稼働をサポートし、必要に応じて機能追加や改善を行います。

これらの業務は、システムエンジニアの種類によって、担当範囲や重点が異なることがあります。

システムエンジニア9種類と仕事内容・必要なスキル

システムエンジニアは、専門分野によって様々な種類に分類されます。ここでは、代表的な9種類のシステムエンジニアについて解説します。

アプリケーションエンジニア

パソコンでWebサイトを確認する様子

アプリケーションエンジニアは、業務系アプリケーションやスマートフォンアプリなど、特定の用途に特化したソフトウェアの開発を担当します。

アプリケーションエンジニアの仕事内容

クライアントの業務効率化や課題解決を目的としたアプリケーションの設計、開発、テスト、運用を行います。Webアプリケーション、スマートフォンアプリ、業務システムなど、開発対象は多岐にわたります。

ユーザーが実際に操作する画面であるユーザーインターフェース(UI)やユーザーが得る体験を設計するユーザーエクスペリエンス(UX)の設計も重要な仕事の1つです。

アプリケーションエンジニアに必要なスキル

  • Java、C#、Python、Ruby、PHP、JavaScriptなどのプログラミングスキル
  • 効率よくプログラムを組む際に使われるフレームワーク(Spring、.NET Framework、Ruby on Rails、Laravel、React、Angular、Vue.jsなど)の知識
  • データベース(MySQL、PostgreSQL、Oracle Database、SQL Serverなど)の知識
  • UI/UXデザインの基礎知識

Webエンジニア

パソコンでWebサイトを構築中の男性の手元

Webエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションの開発を担当します。パソコンやスマートフォンなどでアプリをインストールせずにブラウザから使えるアプリをイメージすると分かりやすいでしょう。

Webエンジニアの仕事内容

WebサイトやWebアプリケーションのフロントエンド(ユーザーが見る部分)やバックエンド(サーバー側の処理)の開発、データベースとの連携などを行います。

近年では、SPA(Single Page Application)やPWA(Progressive Web Apps)といった新しい技術を用いた開発も増えているので、これらの知識を学習しておくと良いかもしれません。

Webエンジニアに必要なスキル

  • HTML、CSS、JavaScriptなどのフロントエンド技術
  • JavaScriptフレームワーク/ライブラリ(React、Angular、Vue.jsなど)の知識
  • バックエンド言語(PHP、Ruby、Python、Java、Node.jsなど)の知識
  • データベース(MySQL、PostgreSQLなど)の知識
  • Webサーバー(Apache、Nginxなど)の知識

インフラエンジニア

クラウドサービスのイラスト

インフラエンジニアは、ITシステムの基盤となるインフラ(サーバー、ネットワーク、データベースなど)の設計、構築、運用、保守を担当します。

インフラエンジニアの仕事内容

サーバーの選定、ネットワーク機器の設定、データベースの構築、セキュリティ対策など、システムが安定して稼働するための基盤を整えます。

近年では、クラウド環境(AWS、Azure、GCPなど)を利用したインフラ構築の需要が高まっており、将来性もあるエンジニアの種類と言えるでしょう。

インフラエンジニアに必要なスキル

  • OS(Linux、Windows Serverなど)の知識
  • ネットワーク(TCP/IP、ルーティング、スイッチングなど)の知識
  • データベース(MySQL、PostgreSQL、Oracle Database、SQL Serverなど)の知識
  • 仮想化技術(VMware、Hyper-Vなど)の知識
  • クラウド(AWS、Azure、GCPなど)の知識

サーバーエンジニア

パソコン作業をしている後ろ姿の男性

サーバーエンジニアは、Webサーバー、アプリケーションサーバー、メールサーバーなど、各種サーバーの構築、運用、保守を担当します。インフラエンジニアと一部重複していますが、よりサーバーに特化したエンジニアの種類です。

サーバーエンジニアの仕事内容

物理サーバーや仮想サーバー、クラウドサーバーなど、様々な環境でのサーバー構築、設定、チューニング、トラブルシューティングを行います。システムの安定稼働を支える重要な役割を担います。

サーバーエンジニアに必要なスキル

  • OS(Linux、Windows Serverなど)の知識
  • Webサーバー(Apache、Nginxなど)の知識
  • アプリケーションサーバー(Tomcat、JBoss、WebLogicなど)の知識
  • 仮想化技術(VMware、Hyper-Vなど)の知識
  • クラウド(AWS、Azure、GCPなど)の知識
  • シェルスクリプト(Bash、PowerShellなど)の知識

データベースエンジニア

データベースエンジニアは、データベースの設計、構築、運用、管理を担当します。

データベースエンジニアの仕事内容

データの効率的な格納、検索、更新を行うためのデータベースシステムの設計、構築、チューニングを行います。

大量のデータを扱うシステムや、高い信頼性が求められるシステムでは、データベースエンジニアの役割が非常に重要になります。データベースの定義や操作を行うための言語であるSQLの知識は必須です。

データベースエンジニアに必要なスキル

  • RDBMS(MySQL、PostgreSQL、Oracle Database、SQL Serverなど)の知識
  • SQL(特に、パフォーマンスチューニングに関する知識)
  • NoSQLデータベース(MongoDB、Cassandra、Redisなど)の知識(必要に応じて)
  • データモデリングの知識
  • バックアップ、リカバリに関する知識

ネットワークエンジニア

パソコンでスケジュールを確認している様子

ネットワークエンジニアは、企業内ネットワークやインターネット接続などのネットワーク環境の設計、構築、運用、保守を担当します。

ネットワークエンジニアの仕事内容

ルーター、スイッチ、ファイアウォールなどのネットワーク機器の設定、ネットワークの監視、トラブルシューティングを行います。

近年では、SDN(Software-Defined Networking)やネットワーク仮想化といった新しい技術の導入も進んでいますので、これらの知識が必要になることもあります。

ネットワークエンジニアに必要なスキル

  • ネットワークプロトコル(TCP/IP、HTTP、DNS、SMTPなど)の知識
  • ルーティング、スイッチングに関する知識
  • セキュリティ(ファイアウォール、VPN、IDS/IPSなど)に関する知識
  • ネットワーク機器(Cisco製品、Juniper製品など)の設定経験
  • ネットワーク監視ツール(Zabbix、Nagiosなど)の知識

セキュリティエンジニア

残業するエンジニア

セキュリティエンジニアは、情報セキュリティ対策の専門家として、システムのセキュリティ設計、脆弱性診断、インシデント対応などを担当します。

セキュリティエンジニアの仕事内容

情報漏洩、不正アクセス、マルウェア感染などの脅威からシステムを守るための対策を講じます。セキュリティポリシーの策定、脆弱性診断、インシデント発生時の対応、セキュリティ教育など、業務範囲は多岐にわたります。

セキュリティエンジニアに必要なスキル

  • セキュリティに関する幅広い知識(暗号化、認証、ネットワークセキュリティ、アプリケーションセキュリティなど)
  • 脆弱性診断ツール(Nessus、OpenVASなど)の知識
  • インシデント(大きなトラブルになる一歩手前の状態)対応に関する知識
  • セキュリティ関連の法規制、ガイドラインに関する知識
  • 最新のセキュリティ脅威に関する情報収集能力

その他のシステムエンジニア

笑顔の男性とパソコン

上記以外にも、特定の分野に特化したシステムエンジニアが存在します。以下はその例の一部です。

  • 組み込みエンジニア:家電製品、自動車、産業機器などに組み込まれるソフトウェアの開発を担当します。
  • セールスエンジニア:自社製品やサービスの技術的な説明、導入支援、顧客への提案などを行います。
  • ITコンサルタント:クライアントの経営課題をITの視点から解決するためのコンサルティングを行います。
  • クラウドエンジニア:クラウドサービスを利用したシステムの導入や開発を行います。

フルスタックエンジニア

新人エンジニアがコーディングしている

フルスタックエンジニアは、複数の分野のスキルを持ち、システム開発の全工程を一人で担当できるエンジニアを指します。幅広い知識が求められる代わりに対応できる業務も多いため、将来性があるエンジニアの種類であるとも言えるでしょう。

フルスタックエンジニアの仕事内容

Webアプリケーション開発であれば、フロントエンド、バックエンド、インフラ、データベースなど、すべての工程を担当します。また、設計などの上流工程はシステムエンジニアが担当し、フルスタックエンジニアが下流工程を総合的に担当するケースもあります。

小規模なプロジェクトやスタートアップ企業では、フルスタックエンジニアが重宝される傾向にあるため、自身の市場価値を高めやすいエンジニアであるとも言えるでしょう。

フルスタックエンジニアエンジニアに必要なスキル

  • 上記で挙げた各分野のスキル
  • 高い問題解決能力
  • コミュニケーション能力
  • 自己学習能力・学習を続ける意欲

未経験からシステムエンジニアになるためのロードマップ

描かれたルートの上の走る男性

未経験からシステムエンジニアを目指す場合のロードマップをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

目指すエンジニアの種類を決め必要なスキルを洗い出す

まずは、自分がどの種類のシステムエンジニアになりたいかを明確にしましょう。

Webエンジニア、インフラエンジニア、セキュリティエンジニアなど、それぞれの分野で求められるスキルは異なります。目指すエンジニアの種類が決まったら、必要なスキルを具体的に洗い出します。目指す分野を扱う会社が出している求人情報や転職エージェントの情報を参考にすると良いでしょう。

プログラミングの基礎を習得する

未経験の場合は、まずプログラミングの基礎を習得しましょう。

ほとんどのシステムエンジニアにとって、プログラミングスキルは必須です。Progateやドットインストールなどのオンライン学習サービス、プログラミングスクールなどを活用して学習をしましょう。

どの言語を学ぶかは、目指すエンジニアの種類によって異なりますが、Web系であればHTML/CSS/JavaScript、汎用的な言語であればPythonなどがおすすめです。

また、未経験者や初心者からのITエンジニア転職に特化した転職プラットフォームのナミノリでも、初学者向けにJavaScriptやHTML/CSS、Rubyの学習コースなどを提供しています。これから学習しようと考えている方は、ぜひご活用ください。

目指すエンジニアに必要なIT知識を学ぶ

プログラミングの基礎を習得したら、目指すエンジニアの種類に応じたIT知識を学びましょう。

例えば、インフラエンジニアを目指すなら、OS、ネットワーク、データベースなどの知識が必要です。

また、AIエンジニアを目指すなら、一般的なIT知識に加えて線形代数や確率統計などの数学知識も必要になります。そのほか、金融システムのエンジニアなど業界に特化したエンジニアを目指す場合も各業界の知識が必要になります。

書籍やオンライン学習サービス、資格試験などを活用して、効率的に学習を進めましょう。

ポートフォリオやスキルシートを作成する

学習した内容をアウトプットするために、ポートフォリオやスキルシートを作成しましょう。

ポートフォリオは、自分で作成したWebサイトやアプリケーションなどをまとめたものです。

スキルシートは、自分のスキルや経験を詳細に記述したものです。これらは、転職活動の際に、自分のスキルをアピールするための重要なツールになりますので、必ず作成しましょう。

求人を探して応募する

ポートフォリオやスキルシートが完成したら、いよいよ求人を探して応募します。

転職サイトや転職エージェントを利用して、未経験者歓迎の求人や、研修制度が充実している企業を選ぶことがおすすめです。転職エージェントを利用すると、自分に合った求人を紹介してもらえたり、面接対策などのサポートを受けられたりするので、積極的に活用しましょう。

まとめ

パソコンでチェックリストを操作する様子

システムエンジニアには様々な種類があり、それぞれ仕事内容や必要なスキルが異なります。

本記事で紹介した内容を参考に、自分の興味や適性に合ったシステムエンジニアの種類を見つけ、キャリアプランを立ててみてください。

未経験からでも、正しいステップを踏めば、システムエンジニアとして活躍できます。

また、未経験者や初心者からのITエンジニア転職に特化した転職プラットフォームのナミノリでは、未経験者に向けたエンジニアの求人を未公開の求人も含めて多数紹介しています。システムエンジニアの求人を探している方は、ぜひご活用ください。

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