エンジニアになりたい理由の答え方とは?未経験者がアピールすべきポイントを解説
近年、IT業界の成長とともに、エンジニアという職業の人気が高まっています。特に、未経験からエンジニアを目指す人が増えており、その理由も多岐にわたります。
目次
エンジニアになりたい理由の答え方とは?未経験者がアピールすべきポイントを解説

IT業界が伸び続け、未経験からエンジニアを目指す人も年々増えている。動機は「手に職をつけたい」「自由な働き方がしたい」「高収入を目指したい」とさまざまだ。どれも本音だろう。
ところが、面接で「なぜエンジニアになりたいのか」と正面から問われると、その本音がとたんに言葉にならない。未経験からの転職なら、この一問はほぼ避けて通れない。
採用担当者は、この質問ひとつであなたの熱意も適性も将来性も測ろうとしている。未経験だからと身構えて、あいまいな答えや的外れな答えを返せば、それだけで印象は沈む。裏を返せば、答え方しだいで挽回もできるということだ。
鍵になるのは、未経験というハンデを、伸びしろとして語り直せるかどうかである。動機の棚卸しから、面接でそのまま使える例文まで、順に具体を追っていく。
また、未経験者や初心者からのITエンジニア転職に特化した転職プラットフォームのナミノリでは、未経験者に向けたエンジニアの求人を多数紹介しています。ITエンジニアの求人を探している方は、ぜひご活用ください。
未経験からエンジニアを目指す人が増えている理由

未経験者が増えているのは、勢いや気分の問題ではない。背中を押す事情が、少なくとも三つある。
- IT業界の成長とエンジニア需要の高まり
- 自由な働き方やワークライフバランスの実現
- 他業界と比べたときの年収やキャリアアップの魅力
IT業界の成長とエンジニア需要の高まり
スマートフォンが手放せなくなり、クラウドサービスやAI(人工知能)技術が当たり前に業務へ入り込む。IT技術は、もう生活の裏側に埋め込まれている。
使う人が増えれば、作って支える人が要る。IT業界は急速に成長し、エンジニアの需要は年々高まっている。経済産業省の調査によると、2030年には最大で79万人のIT人材が不足すると予測されている。人が足りない職業は、当分なくならない。
だから企業も、経験者だけを待ってはいられない。多くの企業が未経験者の採用に積極的になり、エンジニアに挑戦しやすい入り口が広がってきた。目指す人が増えるのも、無理はない。
自由な働き方やワークライフバランスの実現
エンジニアは、他の職種に比べて働く場所と時間の自由が効きやすい。リモートワークやフレックスタイム制を取り入れている企業も多く、生活のほうに仕事を寄せられる。
評価の軸が「何を作ったか」に寄るぶん、机に張り付いた時間の長さでは測られにくい。自分の時間を守りながら働きたい——そう考える人が増えるほど、この職業は理にかなって見えてくる。
他業界と比べたときの年収やキャリアアップの魅力
専門スキルが要る仕事だけあって、エンジニアの年収は他業界より高めに出やすい。経験と技術しだいでは、さらに上も狙える。
もっとも、学び続ける前提はついて回る。技術の移り変わりが速いぶん、腰を落ち着けている暇はない。ただ、その分だけ伸びる機会も多く、キャリアの選択肢は上へも横へも開いている。
例えば、プログラマーとして業務経験を積んだ後、システムエンジニアやプロジェクトマネージャー、ITコンサルタントへ——より専門性の高い職種やマネジメント職へ進む道も描ける。
未経験者でもアピールできるエンジニアを目指す理由

未経験でも、「エンジニアになりたい」という熱意と適性さえ伝われば、採用の目は十分にある。問題は、まだ実務経験のない自分の何を「適性」として差し出すかだ。手札は、思っているより持っている。代表的なものを四つ挙げる。
- 新しい技術を学ぶことが好き
- 論理的な考え方ができる
- 細かい作業を辛抱強く続けられる
- コミュニケーションが得意
新しい技術を学ぶことが好き
IT業界は、技術の進歩が非常に速い。だから、新しいものを進んで学べること自体が、エンジニアにとって重い資質になる。未経験であっても、これまで新しい技術や知識を自分から取りに行った経験があれば、そのまま材料にできる。
例えば、オンライン学習プラットフォームでプログラミングを学んだこと、技術系のイベントに足を運んだこと。具体的に語れば、学習意欲の高さは伝わる。技術系のブログやニュースを日常的に追っているといった習慣も、興味関心の本気度を示す材料になる。
論理的な考え方ができる
エンジニアの仕事の芯にあるのは、問題を筋道立てて分解し、答えへ寄せていく作業だ。論理的な思考力は、あれば有利という程度のものではなく、なければ回らない類のものである。未経験でも、その力を見せられる場面は過去のどこかに必ずある。
例えば、学生時代の研究活動で仮説を立てて実験を行い、結果を分析して結論を導き出した経験。前職で問題の原因を特定し、効果的な解決策を提案して実行した経験。具体的なエピソードを添えると、説得力が増す。普段から物事を順序立てて考える習慣があることも、あわせて示すと有効だ。
細かい作業を辛抱強く続けられる
エンジニアの日々には、プログラミングやテストといった地道な作業がついて回る。派手さはない。だからこそ、細かい手順を辛抱強く積める粘りは、思っている以上に効いてくる。
これまでの経験の中で、データ入力や資料作成など正確性が求められる作業を長時間集中してこなした経験、細かい作業をともなう趣味に打ち込んだ経験。そうした粘り強さは、そのままアピールに回せる。
過去に携わった業務の中で、根気強くトラブルの原因を突き止めた経験があれば、より具体的な材料になる。
コミュニケーションが得意
エンジニアは一人で黙々と、というイメージがあるかもしれない。実際にはチームで開発を進める場面が多く、コミュニケーション能力はそのまま評価対象になる。
業務を円滑に進めるには、他のメンバーと協力して問題を解決したり、自分の考えを分かりやすく説明したりする力が要る。未経験であっても、チームで協力して目標を達成した経験や、プレゼンテーションや会議で自分の意見を発信した経験があれば、具体的に語ろう。
顧客や関係者との交渉や調整を経験していれば、さらに強い材料になる。相手の意見をていねいに聞き、自分の考えを分かりやすく伝える——その姿勢を意識している点を添えると効果的だ。
未経験者向けのエンジニアになりたい理由の例文

材料の話が続いた。では、それを実際の言葉にするとどうなるか。未経験者向けの「エンジニアになりたい理由」を、三つの例文にした。
例文1:
「私は、幼い頃からものづくりが好きで、プラモデルや電子工作などに熱中していました。大学では情報工学を専攻し、プログラミングの基礎を学びました。卒業後は、営業職として働いていますが、IT技術の進化に触れる中で、自分もIT技術を使って新しい価値を生み出したいという思いが強くなりました。未経験ではありますが、持ち前の学習意欲と論理的思考力、営業職で培ったコミュニケーション能力を活かして、エンジニアとして社会に貢献したいと考えています」
ここで効いているのは、未経験でも見せやすいコミュニケーション能力を、前職の営業と地続きで語っている点だ。
例文2:
「前職では、事務職としてデータ入力や資料作成などの業務を担当していました。その中で、業務効率化のためにVBA(Visual Basic for Applications)を独学で学び、簡単なツールを作成したところ、周囲から感謝され、大きなやりがいを感じました。
この経験から、プログラミングの面白さに気づき、より本格的にエンジニアの仕事に挑戦したいと考えるようになりました。これまでの経験で培った正確性と問題解決能力、新しいことを学ぶ意欲を活かして、エンジニアとして成長していきたいと考えています」
こちらは、実際にツールを作った事実と、効率化という課題を自力で解いた経緯を軸に据えている。
例文3:
「私は大学生時代に自分でWebサイトを作成することに興味を持ち、HTMLやCSSを学びながら、プログラミングに対する理解を深めました。
学生時代に友人と共にイベント用のサイトを開発し、ユーザーが簡単に情報を得られるようにするためのインターフェースを設計した経験があります。この経験から、技術を使って問題を解決する楽しさに目覚め、さらにプログラミングを深く学ぶ決意をしました。
卒業後は一般企業で営業職を経験し、システム改善の提案や業務の自動化に貢献してきましたが、より技術的な職務に携わりたくなり、エンジニアとしてキャリアチェンジを決意しました。自分が開発したシステムやツールで人々の役に立つことに強い魅力を感じており、エンジニアとして貴社で成長し、貢献していきたいと考えています」
三つめは、自分で学んで実際に手を動かしたこと、課題解決への意識、そしてより高度な知識を学ぶ意欲——この三つを重ねて見せている。
エンジニアになりたい理由を考える前の準備

説得力は、面接の場でひねり出すものではない。その前の準備で、ほとんど決まってしまう。手順を五つに分けて踏んでいこう。
- STEP1. 自己分析をする
- STEP2. IT業界やエンジニアの職種を理解する
- STEP3. 実際にプログラミングを体験して適正を確かめる
- STEP4. エンジニアとしての働き方やキャリアプランを調べる
- STEP5. これまでのステップをもとに「エンジニアになりたい理由」を具体化する
STEP1. 自己分析をする
まずは自分に向き直る。強みも弱みも、興味も関心も価値観も、掘れるだけ掘って書き出していく。
どのような時にやりがいを感じ、どのようなスキルを身につけてきたか。過去を具体的にたどるほど、自分が本当にエンジニアに向いているのか、どのような分野で活躍したいのかが、輪郭を持ってくる。
進め方に迷ったら、自己分析ツールを活用してもいいし、キャリアコンサルタントに相談してもいい。一人で抱え込む必要はない。
STEP2. IT業界やエンジニアの職種を理解する
次に、飛び込む先の地図を持つ。IT業界とエンジニアの職種を、詳しく調べていく。
ひとくちにエンジニアといっても、Webエンジニア、インフラエンジニア、組み込みエンジニアなど、専門は枝分かれしている。仕事内容も必要なスキルもキャリアパスも違う。そこを押さえて初めて、自分に合った職種が絞れてくる。
企業のホームページや求人情報、業界ニュースをあたって情報を集めよう。加えて、エンジニア向けのイベントや勉強会に顔を出すと、求人票には載らない実務の手触りまで聞ける。
STEP3. 実際にプログラミングを体験して適正を確かめる
そして、頭で考える前に一度触ってみる。エンジニアの仕事にプログラミングは避けて通れない。未経験なら、実際に書いてみて、自分に適性があるかどうかを肌で確かめたい。
オンライン学習プラットフォームやプログラミングスクールなど、未経験者向けの学習教材は事欠かない。はじめはPythonやJavaScriptなど、Web開発でよく使われるプログラミング言語から入るのがおすすめだ。簡単なWebサイトやアプリケーションを一つ作ってみる。楽しさも難しさも、そこで初めて実感に変わり、エンジニアへの適性の見当がつく。
また、未経験者や初心者からのITエンジニア転職に特化した転職プラットフォームのナミノリでは、未経験者に向けにJavaScript初級講座を提供しています。これから学習を始めようと考えている方はぜひご活用ください。
STEP4. エンジニアとしての働き方やキャリアプランを調べる
さらに一歩先、働き始めたあとの自分を具体的に思い描く。エンジニアとしての働き方やキャリアプランを調べていく。
企業のホームページや求人情報、現役エンジニアのブログをたどれば、どのような企業でエンジニアが活躍しているのかが見えてくる。リモートワークやフレックスタイム制といった働き方、その先のキャリアパスも、あわせて把握しておこう。
できれば、実際に働いているエンジニアに直接話を聞きたい。働き方もキャリアも解像度が上がるほど、エンジニアになりたいという気持ちは具体的な熱に変わっていく。
STEP5. これまでのステップをもとに「エンジニアになりたい理由」を具体化する
自己分析、業界・職種研究、プログラミング体験、働き方・キャリアプランの調査。ここまでで得た情報を束ね、「エンジニアになりたい理由」を具体の言葉にまとめる。「プログラミングが好きだから」で止めない。「なぜエンジニアになりたいのか」「エンジニアとして何をしたいのか」「自分のどのような強みを活かせるのか」——ここまで踏み込んで示せると強い。
未経験の場合は、転職後も学習し続ける意欲があることも忘れず添えたい。具体的なエピソードを織り交ぜ、自分の言葉で語れるところまで準備しておこう。
未経験からエンジニアに転職して活躍している事例とエンジニアを目指した理由

理屈はここまでにして、実際に飛び移った人たちを見たい。未経験からエンジニアへ移り、いま現場で動いている三人の事例である。
大手コンビニ事業会社の経営・運営管理からエンジニアになった事例
Hさんは、大学卒業後の約4年間を、大手コンビニ事業会社の経営・運営管理にあてていました。その現場で、信頼関係の構築方法も、問題解決の手法も、チームマネジメントの仕方も身につけています。
そののち、大手広告会社に転職して営業として約1年間働くうちに、顧客の課題を技術的な面から解決して価値を提供したいと思うようになり、エンジニアへの転職を決意。働きながらプログラミングスクールで約1年間、Ruby on Railsを中心に学習してエンジニアになりました。
入社以前から5時に起きて学習し、業務後も机に向かう。その習慣と高い学習意欲が効いて、実務未経験からたった3ヶ月でプロジェクトを担当するまでに成長しています。
農業や介護業界からエンジニアになった事例
Oさんは、高校卒業後に実家の農業を手伝ったり、介護施設で働いたりと、さまざまな業務を渡り歩いてきました。その頃はIT業界に、まるで興味がありませんでした。
転機はChatGPTです。話題になったとき、「このまま肉体労働ばかりしていてITスキルを身に着けなければ、年齢を重ねたときに将来自分の仕事がAIに奪われるのでは」と危機感を覚え、プログラミングを学習しました。
その後、独学で5ヶ月、プログラミングスクールで6ヶ月の合計11ヶ月間プログラミングを学習したのち、転職活動を始め、エンジニアに転職しました。
平日の朝2時や3時に起きて学習する。それだけでなく、エンジニアになるためにはポートフォリオが必要という情報を得て、Webサイトを構築し転職活動でアピールする材料にするという工夫まで重ねています。
現在ではフロントエンドからバックエンド、上流工程まで、幅広く業務を任されるエンジニアに成長しています。
公立高校の教師からエンジニアになった事例
Sさんは、大学卒業後は公立高校の教師として働いていました。従来の授業形式に課題を感じ、自身で学習サービスを開発して授業に導入できないか——そう考えたのが、プログラミング学習の入口でした。
学ぶ過程で「エンジニアとして働きたい」という思いが強くなり、エンジニアへの転職を決意。転職活動の末、未経験者の採用に力を入れていて研修もきちんと行っている派遣型の企業に、エンジニアとして転職しました。
転職後もWeb業界で広く採用されているRuby on Railsを学び直すなど努力を続けながら、自社開発を行っている企業へ移ります。自社サービスの開発に携わったのち、クライアントの開発案件にアサインされるまでに成長し、エンジニアとして活躍しています。
まとめ

未経験からエンジニアへ。簡単な道ではありません。それでも、手の届く範囲にある目標です。
冒頭の「なぜエンジニアになりたいのか」に、自分の言葉で答えられるようになったなら、もう入口は抜けています。強い意志と、地に足のついた準備、そして相手に届くアピール。この三つがそろえば、未経験でも採用される可能性は十分にあります。
この記事で紹介したポイントを手がかりに、自分だけの「エンジニアになりたい理由」を形にして、胸を張って転職活動に臨みましょう。
また、未経験者や初心者からのITエンジニア転職に特化した転職プラットフォームのナミノリでは、未経験者に向けたエンジニアの求人を多数紹介しています。ITエンジニアの求人を探している方は、ぜひご活用ください。