年収・キャリア 2026.07.11

エンジニアの給料は安すぎ?そう感じる理由と年収を上げる5つの方法

構造を知れば抜け出せる

「エンジニアの給料が安すぎる」と感じる理由を、多重下請け構造や還元率など業界の仕組みから解説。給料が安くなりやすい働き方の特徴と、年収を上げるための現実的な5つの方法を紹介します。

エンジニアの給料は安すぎ?そう感じる理由と年収を上げる5つの方法

「エンジニアは稼げる職業だと聞いて転職したのに、思ったより給料が安い」「残業もあるのに手取りが増えない」。そう感じたことはないでしょうか。SNSでも「エンジニア 給料安すぎ」という声は絶えず、期待とのギャップに悩む人は少なくありません。

ただ、これは個人のスキルの問題として片づけられがちですが、そこで話を止めると原因を見誤ります。給料が安く感じられることの裏には、働く場所と立ち位置を決めてしまう業界の構造的な理由があるのです。逆に言えば、その構造さえつかめば、同じスキルのまま収入だけを大きく動かす余地が残っています。

では、その構造とは何なのか。そして、そこから抜け出すために現実に打てる手はどこにあるのか。いまの給料に納得できていないなら、まずは「本当に安いのか」を確かめるところから始めましょう。

「エンジニアの給料は安すぎる」は本当か

まず前提を整理しましょう。厚生労働省の賃金構造基本統計調査などの公的データでは、ITエンジニアの平均年収は日本の全職種平均を上回る水準にあると言われています。つまり「エンジニアという職業全体」で見れば、決して安い職業ではありません。

それでも「安すぎる」と感じる人が多いのはなぜでしょうか。理由は大きく2つあります。

期待値とのギャップ

「エンジニアは年収1000万も夢じゃない」という情報は、外資系企業や大手自社開発企業など、ごく一部の高待遇層の話であることが多いです。一方で、未経験からの入り口になりやすいSESや下請け企業の初任給は月給20〜25万円程度からスタートするケースが多く、期待値との落差が「安すぎる」という感覚を生みます。

同じ仕事でも会社によって給料が大きく違う

エンジニアの給料は、スキルよりも「どの会社の、どの立ち位置で働くか」に左右される部分が大きいのが実情です。同じような作業をしていても、所属する会社が変わるだけで年収が100万円以上違うことは珍しくありません。この差はどこから生まれるのでしょうか。

給料が安くなりやすい業界構造の正体

多重下請け構造で中間マージンが引かれる

日本のIT業界では、発注元の大企業から一次請け、二次請け、三次請けへと仕事が流れる「多重下請け構造」が根強く残っています。発注元が支払う金額は同じでも、間に入る会社が増えるほど中間マージンが差し引かれ、最終的に現場のエンジニアに届く給料は小さくなります。

下請けの階層が深い会社で働いている場合、どれだけ頑張っても給料の原資となる単価そのものが低いため、昇給には限界があります。

SESの還元率が低い会社に所属している

SES(客先常駐)で働く場合、クライアントが支払う単価のうち何%が給料として支払われるか(還元率)は会社によって大きく異なります。還元率を公開していない会社では、単価70万円の案件でも本人の月給が25万円程度、ということも起こり得ます。

SESの仕組みや優良企業の見分け方は、優良SES企業の見分け方で詳しく解説しています。

会社の給与テーブルに天井がある

年功序列型の給与テーブルが残っている会社では、スキルが高くても等級が上がるまで給料は上がりません。「評価はされているのに昇給額が小さい」と感じる場合、個人の問題ではなく制度の天井に当たっている可能性があります。

あなたの給料が安い原因をセルフチェック

自分の状況がどれに当てはまるか、次の表で確認してみましょう。

チェック項目 当てはまる場合の主な原因
自社の商流(何次請けか)を知らない 多重下請けで単価が低い可能性
自分の案件単価を知らない 還元率が低くても気づけない
3年以上同じ業務内容で昇給が年1万円以下 給与テーブルの天井・評価制度の問題
市場価値を調べたことがない 適正年収とのギャップに気づけない
スキルが特定の社内システムでしか通用しない 転職市場で評価されにくい

2つ以上当てはまる場合は、環境を変えることで年収が上がる余地が大きいと考えられます。なお、スキル面の原因と対策はエンジニアが稼げない原因とは?で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

年収を上げる現実的な5つの方法

方法1: 自分の案件単価と市場価値を把握する

まずは現状把握です。SESなら営業担当に案件単価を確認し、転職サイトやエージェントで同じスキルセットの求人年収を調べましょう。「自分の労働が生む金額」と「自分が受け取る金額」の差を知ることが、すべての出発点になります。

方法2: 商流の浅い会社・還元率の高い会社へ移る

同じSESでも、一次請け中心・還元率公開・単価連動昇給の会社に移るだけで、スキルが同じでも年収が上がるケースは多くあります。エンジニアの年収相場はエンジニアの年収はいくら?で職種別に解説しています。

方法3: 需要の高いスキル領域に寄せる

クラウド(AWS)、セキュリティ、データ基盤など、人材不足が続く領域はスキル単価が高くなりやすいと言われています。いまの業務の延長で学べる領域から、市場価値の高いスキルへ計画的に寄せていきましょう。

方法4: 社内での役割を「作業者」から一段上げる

同じ会社にいる場合でも、後輩の指導、顧客との折衝、小規模チームのリーダーなど、役割を一段上げると評価と単価が変わります。転職する場合にも「リーダー経験」は年収交渉の強い材料になります。

方法5: 転職で年収をリセットする

日本の企業では在籍中の昇給幅よりも、転職時の年収交渉のほうが上げ幅が大きい傾向があります。実績を2〜3年分積んだら、市場で評価を確かめるのが年収アップの近道です。SESからのキャリアパスはSESの年収はいくら?も参考になります。

給料を上げたい人がやってはいけないこと

単価や市場を知らないまま我慢し続ける

「頑張ればいつか上がるはず」と根拠なく待つのは危険です。構造的に上がらない環境では、時間だけが失われます。

焦って条件の悪い会社に飛びつく

「未経験歓迎・高収入」を強調する求人の中には、実態が伴わないものもあります。求人票の見極め方は未経験者向けのエンジニア求人は怪しい?で解説しています。

スキルの棚卸しをせずに転職活動を始める

自分の経験を言語化できないと、本来の市場価値より低く見積もられます。職務経歴書の作り方は職務経歴書の書き方を参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

エンジニアの年収が低いのはなぜですか?

個人のスキル不足よりも、多重下請け構造による中間マージン、還元率の低さ、給与テーブルの天井といった構造的な要因が大きいケースが多くあります。同じスキルでも所属する会社と商流によって年収は大きく変わります。

IT系で一番稼げる仕事は何ですか?

一般に、AI・機械学習エンジニア、クラウドアーキテクト、ITコンサルタントなどが高年収になりやすいと言われています。ただし、どの職種でも上流工程や専門性の高い領域に進むことで年収は上がっていきます。

給料が安くても続けるべきですか?

経験が浅いうちは「スキルを積む期間」と割り切る考え方もあります。ただし2〜3年の実務経験が付いたら、市場価値を確認して環境を見直すことをおすすめします。学べる環境がなく単価も低い職場に長く留まるメリットは小さいです。

20代で年収500万は勝ち組ですか?

国税庁の民間給与実態統計調査では20代の平均年収は300万円台と言われており、20代で500万円は平均を大きく上回る水準です。エンジニアなら、スキルと環境次第で20代のうちに十分到達可能なラインです。

「頑張ればいつか」と待っているあいだも、単価は誰かが決めています。いまの給料に納得できていない方は、環境を変える準備として学び直しから始めるのが確実です。学習コンテンツと転職支援がセットになったナミノリなら、スキルアップと転職活動を並行して進められます。未経験歓迎の求人一覧では、給与や働き方の条件も確認できます。

まとめ

  • エンジニアの給料が「安すぎる」と感じる主因は、多重下請け構造・還元率・給与テーブルなど構造的なもの
  • 自分の案件単価と市場価値を知ることが年収アップの出発点
  • 商流の浅い会社への転職、需要の高いスキルへの寄せ、役割の引き上げで同じスキルでも年収は変わる
  • 我慢し続けるのではなく、2〜3年の経験を武器に市場で評価を確かめよう

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