ITエンジニアはやめとけと言われる理由とは?向いている人・向いていない人の特徴も解説
執筆・監修: 徐 聖博/株式会社シンシア 代表取締役社長
近年、IT技術の急速な発展に伴い、ITエンジニアは多くの分野で需要が高まっている職業です。しかし「ITエンジニアはやめとけ」という意見も少なからず存在します。
目次
ITエンジニアはやめとけと言われる理由とは?向いている人・向いていない人の特徴も解説

「ITエンジニアはやめとけ」。求人が増え、将来性まで語られるこの職業に、なぜかそんな声がついて回ります。近年、IT技術の急速な発展に伴い、ITエンジニアは多くの分野で需要が高まっている職業です。それでもなお、「やめとけ」という意見は少なからず存在します。
その声の正体を確かめないまま、選択肢を閉ざしてしまうのはもったいない話です。なぜ「やめとけ」と言われるのか。その理由から、向いている人・向いていない人の特徴、未経験からITエンジニアになる方法、ブラック企業を見分けるポイントまで、順にたどっていきます。
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ITエンジニアが「やめとけ」と言われる理由とは

専門的な知識やスキルが求められるだけあって、ITエンジニアは一般的に高収入で将来性のある職業として認識されています。それなのに、一部では「やめとけ」という声もあがる。理由をたどっていくと、主に次の6つに行き着きます。
- 労働時間が長くなることがあるから
- 土日祝日や夜間の業務が発生することがあるから
- 技術の進化が早いため常に勉強が必要になるから
- ブラック企業もあるので環境によっては消耗するから
- コミュニケーション能力が求められるから
- 向き不向きがある職種だから
労働時間が長くなることがあるから
納期が迫ったとき、あるいはシステムにトラブルが起きたとき。そうした場面では、残業や休日出勤が発生することがあります。とりわけ大規模なプロジェクトや重要なシステムの開発・運用に携われば、責任も大きく、長時間労働になりやすいのは確かでしょう。
ただ、これは業界全体の宿命というわけではありません。働き方改革が進み、労働時間の管理を厳格にする企業は着実に増えています。フレックスタイム制やリモートワークを取り入れる会社もあり、ワークライフバランスを大切にするエンジニアも、いまでは珍しくありません。
土日祝日や夜間の業務が発生することがあるから
システムメンテナンスや緊急対応のために、土日祝日や夜間に仕事が入ることがあります。たとえば24時間365日動き続けるシステムの運用・保守を任されれば、シフト制で休日や夜間に勤務する場面も出てきます。
こうした働き方に、プライベートの時間を削られると感じる人もいるでしょう。とはいえ、その代わりに平日や昼間の休みは取りやすくなります。自社開発が中心の企業を選ぶなど、休日や夜間の業務が起きにくい会社や職種を選べば、対策の余地も十分にあります。
技術の進化が早いため常に勉強が必要になるから
IT技術は日進月歩で進化していて、常に新しい知識やスキルを追いかける必要があります。新しい技術を学ぶことに抵抗がある人や、学習意欲がわきにくい人は、この流れについていくのを難しく感じるかもしれません。
しかし見方を変えれば、学び続けることはそのままスキルアップになり、市場価値を押し上げていきます。キャリアアップを目指す人にとっては、むしろ歓迎すべき環境だと言えるでしょう。
ブラック企業もあるので環境によっては消耗するから
IT業界に、長時間労働や過酷なノルマを課すブラック企業がまったくない、とは言い切れません。もしそうした企業に入ってしまえば、心身ともにすり減ってしまう恐れがあります。
とはいえ、IT企業の中には優良な会社も数多くあります。企業の評判や口コミ、労働条件を事前にしっかり確かめておけば、ブラック企業は避けられます。転職サイトや転職エージェントを使い、信頼できる情報を集めることも、有効な備えになります。
コミュニケーション能力が求められるから
ITエンジニアの仕事は、プログラミングやシステム開発だけではありません。チームメンバーや顧客とのやり取りも、同じくらい大切な仕事です。とりわけプロジェクトマネージャーやシステムエンジニアとして、要件定義や設計といった上流工程を担うなら、高いコミュニケーション能力が求められます。
ただし、コミュニケーション能力は生まれつきのものではなく、経験や学習で身につけられます。近年は、やり取りを円滑にするためのツールや仕組みも次々と登場しています。
向き不向きがある職種だから
専門的な知識やスキル、論理的思考力、問題解決能力。これだけのものが求められるのですから、ITエンジニアに向き不向きがあるのは確かでしょう。
しかし、これらの能力はいずれも経験や学習で伸ばせるものです。しかもITエンジニアの業務範囲は広く、職種も多岐にわたります。自分の得意分野や興味に合う職種が、どこかに見つかる可能性は決して低くありません。
まずはITエンジニアの業務範囲や種類を調べ、自分に合うものがないか探してみると良いでしょう。
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ITエンジニアに向いている人の特徴

では、どんな人がITエンジニアに向いているのでしょうか。おおまかに言えば、次の4つの特徴に集約されます。
- 新しい技術を学ぶことが好きな人
- コツコツと継続して努力できる人
- 問題を解決することが好きな人
- コミュニケーションが得意な人
新しい技術を学ぶことが好きな人
IT業界は技術革新のスピードが速く、次から次へと新しい技術が登場します。だからこそ、新しい技術を積極的に取り入れ、自分のスキルを更新し続けることが欠かせません。新しい技術に興味を持ち、学ぶこと自体を楽しめる人は、ITエンジニアに向いていると言えるでしょう。
新しい技術を学ぶことは、スキルアップだけでなく、任される仕事の幅を広げることにもつながります。習得した技術がそのまま市場価値となり、年収の増加に結びつく可能性もあるでしょう。
コツコツと継続して努力できる人
ITエンジニアの仕事は、地道な作業と試行錯誤の繰り返しです。だからこそ、コツコツと努力を続けられる人が向いています。プログラミングやシステム開発では、思ったように進まないことも、予期せぬエラーに出くわすことも少なくありません。そんな場面でも諦めず、原因を突き止め、解決策を見つけ出す粘り強さが求められます。
学習意欲が高く、地道な努力を続けられる人ほど、ITエンジニアとして活躍できるでしょう。
問題を解決することが好きな人
ITエンジニアの主な仕事の一つは、システムやソフトウェアの問題を解き、その先にあるビジネスの課題まで解決することです。そのため、問題解決能力が高く、論理的思考力に優れた人が向いています。
問題の本質を見抜き、答えを導き出す過程そのものに喜びを感じられる人は、ITエンジニアとして活躍できるでしょう。
コミュニケーションが得意な人
ITエンジニアは、チームで動く場面が多い仕事です。ほかのエンジニアやデザイナー、プロジェクトマネージャーなど、さまざまな人と協力しながら進めていきます。だからこそ、コミュニケーション能力が高い人が向いています。自分の考えを分かりやすく伝え、相手の意見をていねいに聞ける人は、チームワークを円滑にし、プロジェクトを成功へ導けます。
顧客と直接やり取りする機会があれば、その要望を正確につかみ、適切な提案をする必要も出てきます。高いコミュニケーション能力は、顧客満足度を高めるだけでなく、そのまま自分の評価を押し上げることにもつながります。
ITエンジニアに向いていない人の特徴

反対に、ITエンジニアにあまり向かないのはどんな人でしょうか。主に、次の5つの特徴が挙げられます。
- 学習が嫌いで技術に興味がない人
- 論理的思考が苦手な人
- すぐに結果を求める人
- 単独作業を求める人
- 変化に適応するのが苦手な人
学習が嫌いで技術に興味がない人
ITエンジニアは、常に新しい技術を学び続ける必要があります。裏を返せば、学習意欲が低い人や技術に関心のない人には、向かない仕事だということです。新しい技術を学ぶこと自体を苦痛に感じるなら、この仕事についていくのは難しいかもしれません。
もっとも、学習意欲を引き出す工夫や、学びを習慣づけるためのツールを使えば、ある程度は補えます。
論理的思考が苦手な人
ITエンジニアの仕事には、論理的思考力や問題解決能力が欠かせません。そのため、論理立てて考えるのが苦手な人には、向かない面があります。物事を順序立てて整理したり、筋道を立てて説明したりが不得手だと、仕事の場面で苦労するかもしれません。
ただ、論理的思考力は生まれ持った才能ではなく、経験や学習で鍛えられます。思考力を磨くための書籍や学習サービスもそろっていますので、積極的に活用すると良いでしょう。
すぐに結果を求める人
地道な作業と試行錯誤の連続。そんなITエンジニアの仕事は、すぐに結果を求める人にはあまり向いていません。プログラミングやシステム開発では、思うように進まないことも、予期せぬエラーが起きることもしょっちゅうです。そうした状況でも諦めず、原因を追い、解決策を探り当てる粘り強さが求められます。
しかもIT技術は絶えず進化しているため、新しい知識やスキルを身につけるにも相応の時間がかかります。目先の成果を急ぐより、長い目でキャリアを描ける人こそ、ITエンジニアとして活躍できるでしょう。
単独作業を求める人
ITエンジニアは、チームで動く場面が多く、ほかのエンジニアやデザイナー、プロジェクトマネージャーなど、さまざまな人と協力しながら進めます。そのため、一人きりで作業したい人には向かない仕事です。自分のペースを崩したくない人や、チームワークが苦手な人は、日々の仕事にストレスを感じるかもしれません。
とはいえ近年は、リモートワークやフレックスタイム制を取り入れる企業も増え、働き方の選択肢は着実に広がっています。
変化に適応するのが苦手な人
IT業界は技術革新のスピードが速く、次々と新しい技術が登場します。そのため、変化に慣れるのが苦手な人には、向かない面があります。新しい技術や環境に柔軟に対応できないと、この仕事についていくのは難しいでしょう。
しかし、変化に適応する力は、自分自身の成長を後押しし、新しいキャリアの可能性まで広げてくれます。
未経験からITエンジニアになる方法

未経験からITエンジニアになる道のりは、次の5つのステップに分けられます。順に見ていきましょう。
- STEP.1 書籍や学習サービスを活用してITスキルを身に着ける
- STEP.2 身に着けたITスキルを実践する
- STEP.3 IT系の資格を取得する
- STEP.4 ポートフォリオやスキルシートを作成する
- STEP.5 転職サイトや転職エージェントを活用して未経験者向けの求人に応募する
STEP.1 書籍や学習サービスを活用してITスキルを身に着ける
まずは、ITエンジニアに欠かせない基礎知識やスキルを身につけることから始めましょう。
プログラミング言語、データベース、ネットワーク。まずはこうした基本を押さえるところからです。書籍やオンライン学習サービス、プログラミングスクールなどをうまく組み合わせて、効率よく学習を進めましょう。
学習サービスを選ぶときは、無料体験やカウンセリングを活用し、自分に合うものを見極めることが大切です。プログラミングスクールに通うなら、就職支援やキャリアサポートが手厚いところを選ぶと、未経験からの転職活動をぐっと有利に運べます。
STEP.2 身に着けたITスキルを実践する
基礎が身についたら、次は実際にプログラミングやシステム開発へ挑戦してみましょう。
アプリケーションやWebサービスを自分の手で作りながら、実践的なスキルを磨いていきます。
このとき、ポートフォリオに載せられる成果物を作ることを意識しておくと、そのまま転職活動でのアピール材料になります。オープンソースプロジェクトへの参加や、知人との共同開発も、スキルアップの近道です。
STEP.3 IT系の資格を取得する
IT系の資格は、自分のスキルを客観的に証明してくれる手段です。ITパスポートや各プログラミング言語の認定試験など、いまの実力や目指すキャリアに合わせて、資格取得に挑戦しましょう。
資格を持っていれば企業からの信頼を得やすくなり、勉強のモチベーションも保ちやすくなります。取得までの過程そのものが、より深い知識やスキルを身につける機会にもなるでしょう。
STEP.4 ポートフォリオやスキルシートを作成する
自分のスキルや経験を伝えるために、ポートフォリオとスキルシートを用意しましょう。ポートフォリオには、作ったアプリケーションやWebサービス、関わったプロジェクトを載せます。スキルシートには、自分のスキルレベルや経験、資格を具体的に書き込みます。
ポートフォリオやスキルシートは、採用担当者に自分の実力を伝えるための大切なツールです。客観的に評価してもらえるよう、具体的な数値や、確かめられる実績を盛り込むよう心がけましょう。
STEP.5 転職サイトや転職エージェントを活用して未経験者向けの求人に応募する
いよいよ、未経験者歓迎の求人を探して応募する段階です。転職サイトや転職エージェントを使えば、求人情報を効率よく集められます。どちらも非公開求人を抱えていることが多く、未経験者にはとくにおすすめです。
未経験からの転職は、経験者採用に比べて難しくなりがちです。それでもIT業界は慢性的な人手不足のため、決して越えられない壁ではありません。大切なのは、根気強く活動を続けること。面接対策や書類添削といった転職エージェントのサポートを頼るのも、有効な一手です。
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ITエンジニアの求人でブラック企業を見分けるポイント

ITエンジニアの求人の中には、労働条件が過酷なブラック企業も一部まぎれています。求人情報からその見分けをつけるには、次のポイントに注意しましょう。
- 年収が極端に高すぎたり低すぎたりする
- 昇給制度や評価基準が不明
- 具体的な業務内容が明記されていない
- いつ見ても求人が出ている
年収が極端に高すぎたり低すぎたりする
相場からかけ離れて高い年収を掲げる企業には、注意が必要です。過酷な労働条件やノルマと引き換えに、高い給与を支払っているのかもしれません。逆に、極端に低い年収も、労働条件の悪さを映している場合があるので油断は禁物です。
企業のWebサイトや転職口コミサイトで、評判や給与水準を確かめておくことがポイントです。面接の場で、給与体系や残業時間について率直に尋ねてみることも欠かせません。
昇給制度や評価基準が不明
昇給制度や評価基準があいまいな企業は、社員のやる気を支える仕組みが整っていない恐れがあります。
実績や能力が正当に評価される仕組みがあるかどうかを、しっかり見極めましょう。昇給制度や評価基準については、面接で具体的に質問するのが一番です。企業のWebサイトや社員インタビューから、評価制度の実態を探ってみるのも有効な手段の1つです。
具体的な業務内容が明記されていない
業務内容がはっきり書かれていない求人は、入社後に思いもよらない仕事を任される可能性があります。とくに未経験者にとって、内容のあいまいな求人は要注意です。
面接では、具体的な業務内容やキャリアパスをきちんと確認しましょう。企業のWebサイトや転職口コミサイトで、事業内容や組織体制まで調べておくことも大切なポイントです。
いつ見ても求人が出ている
いつ見ても募集を続けている企業は、離職率が高いのかもしれません。労働環境や人間関係に問題を抱え、社員が定着せず、絶えず人員を補い続けている。そんな内情が透けて見えます。
企業のWebサイトや転職口コミサイトで、離職率や社員の評判を確かめておきましょう。面接の場で、離職率や人員構成について尋ねてみることも、有効な手段の1つです。
まとめ

冒頭で耳にした「やめとけ」という声の正体を、ここまで一つずつ確かめてきました。ITエンジニアは、魅力的なキャリアパスである一方で、向き不向きや労働環境など、目を向けておくべき点もある職業です。
大切なのは、その声を鵜呑みにすることでも、はねつけることでもありません。理由と対策の両方を知ったうえで、自分にとって後悔のないキャリアを選ぶことです。
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