「未経験からエンジニアはやめとけ」と言われる理由とは?成功する人の特徴も解説
執筆・監修: 徐 聖博/株式会社シンシア 代表取締役社長
未経験からエンジニアを目指す人にとって「やめとけ」という意見を目にすることは少なくありません。しかし、その背景にはエンジニアの仕事の大変さや、未経験者にとってのハードルの高さがあるだけでなく、適性や準備の不足による挫折も含まれています。
目次
「未経験からエンジニアはやめとけ」と言われる理由とは?成功する人の特徴も解説

「未経験からエンジニアなんて、やめとけ」。転職先を探しはじめると、こうした言葉に一度はぶつかるものです。真に受けて、踏み出す前から諦めてしまった方もいるかもしれません。ですが、その一言の裏には、仕事そのものの大変さや未経験者ならではのハードルだけでなく、適性や準備の不足による挫折といった、いくつもの事情が折り重なっています。
では、その「やめとけ」は、どこまで本当なのでしょうか。言われる理由を一つずつほどいていくと、避けるべき落とし穴と、それを越えるための準備が、はっきり見えてきます。
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未経験エンジニアはやめとけと言われる理由とは?
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「やめとけ」という声には、いくつか決まった言い分があります。よく挙がるのは、主に次の4つです。
- ITエンジニアの仕事内容がイメージと違うことがある
- 「未経験歓迎」の求人の中にはブラックな求人もある
- 短期間で必ず高収入になれるわけではない
- プログラミングには向き不向きがある
ITエンジニアの仕事内容がイメージと違うことがある
華やかそうに見えた仕事が、入ってみると想像と違った。未経験からITエンジニアになった人が、このギャップに苦しむケースは少なくありません。
開発の現場は、華やかにコードを書き上げる場面ばかりではありません。エラーの原因を延々と調べたり、仕様書を地道に書き起こしたりと、目立たない作業がむしろ大半を占めます。その連続に、モチベーションを保てなくなる人もいるでしょう。
しかも、IT業界は技術の移り変わりが早く、最新の知識を追い続けなければなりません。学ぶことそのものが好きでないと、変化の速さに置いていかれ、業務についていくのが苦しくなるかもしれません。
だからこそ、転職を考える段階で仕事の実態をよく知り、自分が本当にそれを楽しめるのかを見極めておくことが大切です。
「未経験歓迎」の求人の中にはブラックな求人もある
「未経験歓迎」の四文字は、必ずしも歓迎を意味しません。中には、人材不足を埋めるために、経験より頭数を優先している企業もあります。そうした会社では、入社後の研修制度が整っていなかったり、残業が慢性化していたりすることもあるでしょう。
労働条件の悪い企業に入ってしまうと、スキルが伸びないどころか、心身をすり減らして離職に至ることもあります。だからこそ、未経験から目指すなら、労働条件や教育制度をしっかり確かめ、企業を慎重に選ぶことが肝心です。
短期間で必ず高収入になれるわけではない
「エンジニアになれば、すぐに高収入」。そう思い描いていると、理想と現実の差に足をすくわれるかもしれません。実際、未経験から転職した場合、当面の年収は経験者より低くなる傾向があります。
もちろん、スキルと経験しだいで、短期間に高収入へ届く人もいます。ただしそこには、転職活動前の学習だけでなく、その後も学び続けて市場価値を高める努力が欠かせません。
収入だけを目当てにするのではなく、仕事そのものに惹かれるものがあるか。そこが、未経験からの転職がうまくいくかどうかを分ける、大事な要素になります。
プログラミングには向き不向きがある
プログラミングには、論理的思考力や集中力が求められます。だからこそ、向き不向きが出るのも確かです。
たとえば、細かい作業が苦手な人や、長時間の集中が続かない人は、学習の入り口でつまずきやすいかもしれません。プログラミング言語は英語をベースにしているため、英語への苦手意識が強いと、ハードルはさらに上がります。
とはいえ、適性は才能だけで決まるものではありません。学び方を工夫し、学習サービスをうまく使えば、苦手意識のある人でも効率よく身につけていけます。
「自分には向いていない」と決めつける前に、まずは一度、プログラミングに触れてみてほしいのです。
未経験からエンジニアになるのは難しい?

未経験からエンジニアになるのは、簡単ではありません。けれど、越えられない壁でもないのです。
理由はシンプルです。IT業界は慢性的な人材不足に悩み、多くの企業が未経験者を採用して育てることに力を注いでいます。つまり、未経験者にもチャンスは大きく開かれているのです。
ただし、扉が開いているだけでは通れません。最低限のIT知識とプログラミングスキルは、自分で身につける必要があります。スクールに通うのか、オンライン学習サービスを使うのか。自分に合ったやり方を見つけることが、その第一歩です。
そして企業は、実務経験のない人を採るとき、ポテンシャルや学習意欲を重く見ます。これまでの経験をどう活かし、エンジニアとしてどう活躍したいのか。そこを具体的に語れるよう準備しておくことが、鍵になります。
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「やめとけ」と言われてもエンジニア転職で成功する人の特徴

「やめとけ」を乗り越えて転職を成功させる人には、いくつか共通する特徴があります。次のような点です。
- IT業界の働き方やキャリアパスを正しく理解している
- 学習を継続できる意思や習慣がある
- 論理的思考力や問題解決能力がある
- チーム開発に適応できるコミュニケーション力がある
- 「とりあえず転職したい」ではなく明確な目的がある
いずれも生まれ持った才能ではなく、意識と習慣しだいで、後から育てられるものばかりです。
IT業界の働き方やキャリアパスを正しく理解している
ひとくちにIT業界の働き方といっても、企業や職種によって驚くほど違います。
たとえば、特定の領域を深掘りする開発スペシャリストと、プロジェクトや人員を束ねるマネージャーやプロジェクトリーダーとでは、日々の過ごし方がまるで変わります。
同じ開発者の中でも、要件定義や設計といった上流工程を担う人と、プログラミングやテストなどの下流工程に専念する人とでは、働き方は大きく変わります。
その違いは働く環境にも及び、同じエンジニアでも、職種によってはリモートワークやフレックス制度を使いにくいことさえあります。
だからこそ、未経験から目指すなら、IT業界の働き方やキャリアパスを正しく理解しておくことが欠かせません。
学習を継続できる意志や習慣がある
エンジニアにとって、学び続けることは選択肢ではなく前提です。プログラミング言語も開発スキルも絶えず進化し、昨日の知識が今日には古びていきます。だからこそ、新しい技術を追い続ける姿勢が欠かせません。
ただ、新しさばかりを追えばいいわけでもありません。既存の技術を深く理解することも、同じくらい重要です。基礎をおろそかにしないことで、実務で求められる問題解決能力が身についていきます。
毎日の学習が育てるのは、技術力だけではありません。学ぶという習慣そのものが、長く走り続けるための力になります。
論理的思考力や問題解決力がある
エンジニアの仕事は、突き詰めれば、開発を通じて課題を解決することです。そのため、論理的に考えて答えへ導く力が求められます。
論理的思考力とは、物事を体系立てて整理し、矛盾なく結論へたどり着く力のこと。問題解決能力とは、課題の本質を見抜き、解決策を立てて実行に移す力のことです。
どちらも、生まれつきのものではなく、プログラミング学習や実務経験を通して後から鍛えられます。日頃から物事を筋道立てて考え、課題に挑む習慣をつけておくとよいでしょう。
チーム開発に適応できるコミュニケーション力がある
一人で黙々と画面に向かう。エンジニアにはそんなイメージがつきまといますが、実際の開発はチームで進めることがほとんどです。だからこそ、メンバーと円滑に意思を通わせ、協力して開発を前に進める力が求められます。
他のメンバーと足並みをそろえて進める以上、協調性やリーダーシップも同じように大切になります。
こうした力もまた、日頃から意識して人と関わる中で、少しずつ育てていけます。
「とりあえず転職したい」ではなく明確な目的がある
「とりあえずIT業界へ」。その軽い動機のままでは、たとえ転職できても、後からミスマッチに悩まされるかもしれません。
エンジニアと一括りにいっても、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、インフラエンジニアと、職種はさまざまです。求められるスキルも知識も働き方も、それぞれ大きく異なることを、まず知っておきましょう。
そのうえで、自分がどんなエンジニアになりたいのか、どんなキャリアパスを描きたいのか。そこをはっきりさせておくことが、後の遠回りを防ぎます。
未経験からエンジニアに転職する際のポイント

では、実際に転職へ動くとき、何を押さえておけばいいのでしょうか。意識したいのは、次の4つのポイントです。
- キャリアプランを立てて学習するスキルを絞る
- スキルや知識を証明するポートフォリオを作る
- 転職後に活かせる資格を取得する
- 転職サイトや転職エージェントを活用する
キャリアプランを立てて学習するスキルを絞る
やる気のあまり、目についた教材を片っ端から手にとる。その学び方は、実は遠回りです。まずキャリアプランを立て、必要なスキルに絞ってから学習を始めましょう。
エンジニアには、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、インフラエンジニアなど、さまざまな職種があります。職種が違えば、必要なスキルも知識も違ってくるのです。
将来なりたいエンジニア像から逆算し、必要なスキルだけに的を絞る。そうすれば、限られた時間でも効率よく学んでいけます。
スキルや知識を証明するポートフォリオを作る
実務経験のない応募者を前に、企業は何を手がかりにするのでしょうか。その一つが、ポートフォリオです。
ポートフォリオとは、これまでに作った成果物をまとめたものです。アプリケーションやWebシステムなど、自分の手で作ったものを公開し、一つにまとめておきましょう。
企業がそこから読み取るのは、スキルや知識だけではありません。どれだけ学ぶ意欲や向上心を持っているかも見ています。だからこそ未経験者にとって、ポートフォリオづくりは避けて通れないといえるでしょう。
転職後に活かせる資格を取得する
資格は、未経験からの転職に必ずしも要るものではありません。ですが、スキルや知識を客観的に示す手段にはなります。持っておくほうが、エンジニアへの転職の成功率は着実に上がるでしょう。
たとえばITパスポートや基本情報技術者試験は、エンジニアとしての基礎知識を証明するのに有効な資格です。
資格取得の過程でスキルが伸びるうえ、その肩書きは転職活動でも心強い味方になってくれます。
転職サイトや転職エージェントを活用する
最後は、一人で抱え込まず、転職サイトや転職エージェントを存分に頼る段階です。
転職サイトには、未経験者歓迎の求人が数多く並んでいます。転職エージェントを使えば、キャリアアドバイザーから一人ひとりに合わせた助言をもらうこともできます。
こうしたサービスをうまく使うほど、自分に合った求人にたどり着きやすくなります。
また、現役エンジニアに相談できる転職サイトのナミノリでは、非公開求人も含めて未経験者に向けたエンジニアの求人を多数紹介しています。未経験からエンジニアを目指している方は、ぜひご活用ください。
未経験からエンジニアになるには?【具体的な6ステップ】

ここまでの話を、実際の行動に落とし込むとどうなるのでしょうか。未経験からエンジニアを目指す道のりは、次の6ステップに整理できます。
- 目標を詳細に設定する
- 自分が目指すキャリアプランに必要なスキルを習得する
- 実際に開発してポートフォリオを作成する
- 保有している知識やスキルをスキルシートにまとめる
- エンジニアへの転職活動をする
- 入社後も継続して学習する
目標を詳細に設定する
まずは、どんなエンジニアになりたいのか、どんなキャリアパスを描きたいのか。ここを具体的に描くところから始めます。
行き先がはっきりすれば、必要なスキルも学び方も自然と見えてきます。あとは、その目標へ向けて具体的な計画を立て、日々の学習に落とし込んでいくだけです。
定めた目標は、転職活動そのものの軸にもなります。企業選びから面接対策まで、あらゆる場面で立ち返る拠り所があると、動きに無駄がなくなります。
自分が目指すキャリアプランに必要なスキルを習得する
行き先が決まったら、そこへ届くためのスキルを、いよいよ学び始めます。
スクールに通うのか、オンライン学習サービスを使うのか。自分に合った学び方を見つけることが、続けるための鍵になります。
学びの中で育つのは、プログラミングスキルだけではありません。論理的思考力や問題解決能力も、同時に身についていきます。
身につけたスキルや知識を証明する手段として、資格を取っておけば、転職活動でもさらに有利に働きます。
実際に開発してポートフォリオを作成する
学んだスキルは、目に見える形にして初めて相手に伝わります。そのために、ポートフォリオを作りましょう。
ポートフォリオには、アプリケーションやWebシステムなど、自分で作ったものを載せます。そこから企業は、スキルや知識だけでなく、あなたの学習意欲や向上心までも読み取ります。
自分の力で開発したアプリケーションやシステムを一つにまとめ、言葉以上に雄弁な武器として企業にぶつけましょう。
保有している知識やスキルをスキルシートにまとめる
スキルシートとは、あなたのスキルや経験を一覧にまとめた書類です。
企業はこのシートを見て、あなたのスキルや経験を把握し、自社の求める人物像に合うかどうかを判断します。
だからこそ、持っているスキルだけでなく、実務経験や実績まで、できるだけ具体的に書き込んでおきましょう。
エンジニアへの転職活動をする
スキルシートとポートフォリオがそろえば、いよいよ転職活動の本番です。
転職サイトや転職エージェントを使い、ときには企業の採用ページを直接のぞきながら、気になる求人へ積極的に応募していきましょう。
応募と並行して面接対策も怠らず、準備を万全に整えて本番にのぞみたいところです。
入社後も継続して学習する
エンジニアとして入社できても、そこがゴールではありません。続けられなければ、意味がないのです。
現場で活躍し続けるには、新しい技術を学び取ることが避けられません。入社後もその手を止めず、学習を重ねてスキルを磨いていきましょう。
その積み重ねが、市場価値の高いエンジニアへとあなたを育て、将来の年収アップにもつながっていきます。
未経験からエンジニアになった成功事例

理屈よりも、実際に一歩を踏み出した人の話のほうが、心に残ることがあります。ここでは、経営・運営管理や広告営業から未経験でエンジニアへ転じた方の事例を紹介します。
この方は大学卒業後、大手コンビニ事業会社で経営や運営管理に携わり、信頼関係の築き方や問題解決の手法、チームマネジメントを学びました。その後は広告会社へ移り、営業としてデータの記録や分析に向き合いました。
営業の仕事を重ねるうちに芽生えたのが、「お客様の課題を技術的に解決して価値を提供したい」という思いでした。その思いに背中を押され、働きながら1年間、プログラミングスクールでRuby on Railsを中心に学び続けます。
そして、実務未経験のままエンジニアへの転職を成し遂げました。入社前から毎朝早く起きて仕事前に学ぶ習慣ができていたこともあり、入社からわずか3ヶ月後には、プロジェクトを任されるまでに成長しています。
まとめ

冒頭で見た「未経験からエンジニアはやめとけ」という言葉を、もう一度思い出してみてください。あの一言は、越えられない壁ではありませんでした。さきほどの事例のように、未経験からでもエンジニアへ転職し、活躍することは十分に可能です。
あとは、ここで見てきたポイントとステップを手がかりに、将来設計を描き、一つずつ正しく備えていくだけです。その小さな積み重ねが、あなたの転職を成功へと運んでくれます。
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