AWS資格の順番は?未経験はCLF→SAAが王道【2026年の廃止資格も】
CLF→SAAが王道ルート
執筆・監修: 徐 聖博/株式会社シンシア 代表取締役社長
AWS資格の取得順を2026年8月時点の公式情報で解説。未経験はCLF→SAAが王道です。受験料・合格ライン・65問中50問のみ採点という仕組み、50%割引バウチャーの正しい条件、受験終了になったMLS/ANSまで整理します。
目次
AWS資格はどの順番で取るべきか
AWSの資格を取ろうと調べ始めた人が最初にぶつかる壁は、種類の多さである。名前も略称も似ていて、どれから手をつければいいのか判断がつかない。
結論から言えば、未経験・初心者はクラウドプラクティショナー(CLF)から入り、ソリューションアーキテクト アソシエイト(SAA)へ進むのが王道である。この順番自体は、いまも変わっていない。
変わったのは、その周辺のほうだ。2024年以降、AWS認定は専門資格が次々と受験終了になっている。2026年3月には機械学習の専門資格が受験できなくなり、ネットワークの専門資格も2026年12月末で終わる。古い一覧表を見て資格を選ぶと、すでに受けられないものを目標にしてしまう。
以下、2026年8月時点でAWS公式サイトから確認した情報にもとづいて、資格の全体像・受験料・合格ラインと、未経験者が取るべき順番を整理する。
2026年8月時点の受験料
まず費用から押さえておく。レベルごとに一律で決まっている。
| レベル | 受験料(税別・USD) | 受験料(日本円) |
|---|---|---|
| Foundational(基礎) | 100 USD | 15,000円 |
| Associate(中級) | 150 USD | 20,000円 |
| Professional(上級) | 300 USD | 40,000円 |
| Specialty(専門) | 300 USD | 40,000円 |
(出典:AWS Certification Policies、2026年8月確認)
円建て価格は毎年4月に為替に応じて改定される。受験を決めたら公式サイトで金額を確認してほしい。なお、CLF→SAAという王道ルートの総額は、一発合格なら35,000円になる。
確認できた認定資格と、受験終了になったもの
2026年8月時点で個別に実在を確認できたものを、レベル別に並べる。
| レベル | 資格名(コード) | 状態 |
|---|---|---|
| Foundational | クラウドプラクティショナー(CLF-C02) | 現行 |
| Foundational | AIプラクティショナー(AIF-C01) | 現行 |
| Associate | ソリューションアーキテクト(SAA-C03) | 現行 |
| Associate | デベロッパー(DVA-C02) | 現行 |
| Associate | CloudOpsエンジニア(SOA-C03) | 現行・改称あり |
| Associate | データエンジニア(DEA-C01) | 現行 |
| Associate | 機械学習エンジニア(MLA-C01) | 現行 |
| Professional | ソリューションアーキテクト プロフェッショナル(SAP-C02) | 現行 |
| Professional | DevOpsエンジニア プロフェッショナル(DOP-C02) | 現行 |
| Specialty | セキュリティ(SCS-C03) | 現行 |
| Specialty | 高度なネットワーキング(ANS-C01) | 2026年12月31日で受験終了 |
| Specialty | 機械学習(MLS-C01) | 2026年3月31日で受験終了済み |
ここは注意して読んでほしい。AWSの認定ページはJavaScriptで描画されるため一覧を機械的に取得できず、上記は個別ページで存在を確認できた12件である。これで全部だと断定はできない。
受験できなくなった資格が続いている
専門資格(Specialty)の縮小は、2024年から続く流れである。
| 資格 | 最終受験日 |
|---|---|
| Data Analytics – Specialty | 2024年4月8日 |
| Database – Specialty | 2024年4月29日 |
| SAP on AWS – Specialty | 2024年4月29日 |
| 機械学習(MLS-C01) | 2026年3月31日 |
| 高度なネットワーキング(ANS-C01) | 2026年12月31日 |
(出典:AWS Training and Certification Blog、および各資格の公式ページ、2026年8月確認)
機械学習の専門資格は、後継としてアソシエイトレベルの機械学習エンジニア(MLA)に置き換わった。AIプラクティショナーが基礎レベルに新設されたことと合わせて、AI系はProfessional/Specialtyの重い資格から、より入りやすいレベルへ再編されたと読める。
なお、受験終了になっても、すでに取得済みの認定は取得日から3年間そのまま有効である。
SysOpsアドミニストレーターは名前が変わった
もう一つ、古い記事に残りやすい情報がある。SysOps Administrator – Associate は CloudOps Engineer – Associate に改称された。旧試験(SOA-C02)の最終受験日は2025年9月29日で、翌30日から新試験(SOA-C03)が始まっている。出題範囲にはコンテナが加わり、マルチアカウント・マルチリージョンの比重が上がった。
受験前に知っておく数字
未経験者が受ける2つについて、公式の試験ガイドで確認できる数値を並べる。
| CLF-C02 | SAA-C03 | |
|---|---|---|
| 試験時間 | 90分 | 130分 |
| 問題数 | 65問 | 65問 |
| うち採点対象 | 50問 | 50問 |
| スコア範囲 | 100〜1,000 | 100〜1,000 |
| 合格ライン | 700 | 720 |
(出典:AWS公式試験ガイド、2026年8月確認)
65問のうち採点されるのは50問という点は、意外と知られていない。残り15問は将来の出題を評価するための問題で、スコアには反映されない。どれが採点対象かは受験者にはわからないので、実務的な意味は「見たことのない問題が数問混ざっていても、それが不合格に直結するとは限らない」ということになる。試験中に動揺しないための知識として持っておくといい。
採点は補償型で、分野ごとの足切りはない。苦手分野があっても、全体で合格ラインに届けば合格になる。
未経験者はCLF→SAAの順番で進める
ステップ1:クラウドプラクティショナー(CLF)
CLFはAWS認定の入門資格で、クラウドの基本概念、主要サービスの概要、料金体系、セキュリティの基礎が出題される。技術的な深さより「AWSの全体像を理解しているか」が問われるため、IT未経験者でも挑戦しやすい。
ステップ2:ソリューションアーキテクト アソシエイト(SAA)
SAAはAWS上でシステムを設計する力を問う中級資格で、認定の中でもっとも知名度が高い。可用性やコスト最適化を考慮した構成を選ぶ問題が中心になる。問題文が実務シナリオベースなので、用語の暗記だけでは通らない。転職市場でのアピール力はCLFより明確に高く、未経験からクラウドエンジニアを目指すならここを目標に据えたい。
いきなりSAAから受けてもいいか
インフラの実務経験がある人なら、CLFを飛ばしてSAAから受験するのも選択肢になる。合格ラインが700と720で20点差しかないことからも、CLFが極端に易しいわけではないとわかる。
ただし完全未経験の場合は、CLFで用語とサービスの全体像を押さえてからのほうが、結果的に早い。加えて、次に説明する割引の関係でも、CLFを先に取るほうが得になる。
費用を抑える:50%割引バウチャーの正しい条件
AWS認定には50%割引バウチャーがある。ただし、この条件は誤解されやすい。
割引が受けられるのは、再認定または上位資格を受験するときである。 認定を保有している人が次の試験を受ける際に、AWS Certification Account から利用できる。試験に落ちた人が安く受け直すための制度ではない。ここを取り違えている解説を見かけるので、注意してほしい。
つまり、CLFに合格しておくと、次のSAA受験時に割引が使える。CLF 15,000円 + SAA 20,000円の半額10,000円で、合計25,000円。CLFを飛ばしてSAAを直接受けた場合の20,000円と比べても、差は5,000円である。基礎を体系的に学べることを考えれば、CLFを挟む選択は費用面でも不利にならない。
不合格だった場合は、14日間の待機期間を空ければ再受験できる。回数の上限はないが、その都度全額の支払いが必要になる。
認定の有効期限と、更新の裏道
AWS認定の有効期限は3年である。期限内に再認定するか、上位資格を取得すれば更新される。
CLFについては、もう一つ手がある。AWS Cloud Quest の「Recertify Cloud Practitioner」を完了すると、試験を受けずに3年延長できる。有効期限の6か月前から対象になる。上位のAssociate資格を取った場合も、CLFは自動的に更新される。
学習リソースと、無料利用枠の変更
独学で十分合格を狙える。定番は次の組み合わせになる。
AWS公式の AWS Skill Builder には無料のデジタル講座が多数あり、まずここから入るのが素直である。公式の模擬試験は有料サブスクリプション(個人向けで月29 USD/年449 USD)側に含まれる。市販の対策書籍やUdemyの問題演習と組み合わせるのが合格者の定番パターンだ。
そして手を動かすこと。ここで一点、情報が古くなりやすい箇所がある。AWSの無料利用枠は「12か月無料」から仕組みが変わっており、2026年8月時点ではサインアップ時に最大200 USD相当のクレジットが付与され、有効期間は最大6か月となっている(常時無料のサービスは別に30以上ある)。1年かけてゆっくり触るつもりで計画を立てると、途中でクレジットが切れる。ハンズオンは学習期間の前半に寄せたほうがいい。
EC2でサーバーを立てる、S3にファイルを置く、VPCを組む。この程度でも、実際に操作した経験は面接で語れる材料になる。
Linuxの基礎に不安がある場合は、先にそちらを埋めておくと理解が速い。ナミノリの無料講座にもUNIX・Linuxの初級講座がある。
資格取得後:クラウドエンジニアへの道
AWS資格はゴールではなく、クラウドエンジニアへのスタートラインである。未経験からの転職では「CLF・SAA取得+ハンズオンでの構築経験」をセットで示すと説得力が増す。逆に、資格だけを並べて実際に触った話が出てこないと、面接で厳しく見られる。
最初からクラウド専門の職種に就けなくても、インフラエンジニアやサーバー運用から始めてクラウド案件に移るルートは一般的である。自分の適性が気になる人はクラウドエンジニアに向いている人とはを、転職活動全体の進め方は未経験からITエンジニアになるにはを参照してほしい。
よくある質問(FAQ)
AWS資格は意味ないと言われるのはなぜですか?
「資格だけあっても実務ができなければ意味がない」という文脈で語られることが多い。確かに資格は実務経験の代わりにはならないが、未経験者にとっては学習意欲と基礎知識を示す材料になる。ハンズオン経験とセットでアピールできるかどうかが分かれ目である。
受験費用はいくらですか?
2026年8月時点で、Foundationalが15,000円、Associateが20,000円、ProfessionalとSpecialtyが40,000円である。円建て価格は毎年4月に為替に応じて改定されるため、受験前に公式サイトで確認してほしい。
AWS資格に有効期限はありますか?
3年である。再認定するか上位資格を取得すれば更新される。CLFに限っては、AWS Cloud Quest の再認定コースを完了することで、試験を受けずに3年延長できる。
試験に落ちたらすぐ受け直せますか?
14日間の待機期間を空ける必要がある。受験回数の上限はないが、毎回全額の受験料がかかる。なお、よく紹介される50%割引バウチャーは合格者が次の試験を受けるための制度であり、不合格時の再受験には使えない。
未経験でもSAAに合格できますか?
合格できる。実務未経験の合格者は珍しくない。ただし問題文が実務シナリオベースなので、模擬問題の反復と、無料利用枠を使ったハンズオンを組み合わせる必要がある。用語の暗記だけで通る試験ではない。
機械学習の資格を取りたいのですが、どれを受ければいいですか?
機械学習の専門資格(MLS-C01)は2026年3月31日で受験終了になった。現在は、基礎レベルのAIプラクティショナー(AIF-C01)か、アソシエイトレベルの機械学習エンジニア(MLA-C01)が受験対象になる。
まとめ
- 未経験・初心者は「CLF→SAA」の順番が王道。ここは2026年時点でも変わらない
- 受験料は2026年8月時点でFoundational 15,000円、Associate 20,000円、Professional/Specialty 40,000円(円価格は毎年4月改定)
- CLF-C02は90分65問・合格700、SAA-C03は130分65問・合格720。65問中50問のみが採点対象
- 50%割引バウチャーは合格者の再認定・上位受験向けであり、不合格時の再受験には使えない
- 専門資格の縮小が続いている。機械学習(MLS)は2026年3月末で受験終了、高度なネットワーキング(ANS)は2026年12月末で終了予定
- 無料利用枠は12か月モデルから変わり、最大200 USDのクレジット・最大6か月。ハンズオンは前半に寄せる
まずはCLFの学習から始めて、無料利用枠が使えるうちに手を動かしておきたい。学習を転職につなげたい場合は、会員登録で学習コンテンツと求人紹介をまとめて受けられる。クラウドやインフラの求人は求人一覧から探せる。
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