プログラミング学習 公開 2026.07.11 更新 2026.09.23

プログラミングは何から始めるか|受講ログ158件が示す「最初の1本」の終わらせ方

5つのステップで迷わず学べる

執筆・監修: 徐 聖博/株式会社シンシア 代表取締役社長

プログラミングは何から始めるか|受講ログ158件が示す「最初の1本」の終わらせ方

プログラミングは何から始めるか。ナミノリの受講ログ158件では、止まるのは1本目の直後と修了手続きの手前だった。学習期間の中央値は0.02日。実データから最初の1本の終わらせ方を示す。

プログラミングは何から始めるか|受講ログ158件が示す「最初の1本」の終わらせ方

「何から始めればいいですか」という問いには、たいてい順番で答えが返ってくる。言語を決めて、基礎文法をやって、簡単なものを作って、ポートフォリオへ。間違ってはいない。ただ、その順番を知った人が実際どうなったかを、数字で持っている記事は少ない。

ナミノリは無料講座の受講ログを持っている。2026年9月18日時点で、受講登録158件、レクチャーの進捗904件。ここから見えたことを先に書く。

修了したのは158件中37件。そして止まる場所は、ほぼ2か所しかなかった。 難しくて詰まる地点ではない。1本目を終えた直後と、全部終えたのに修了手続きをしない地点だ。

順番の話より、こちらのほうが役に立つはずだ。

実データ|158人のうち、修了は37人だった

まず全体を出す。

指標 実測値
受講登録 158件
修了 37件(23.4%)
未修了 121件

無料で、期限もない講座なので、この数字は低めに出る。申し込むだけなら1分もかからないし、「いつか見る」と思ったまま放置しても誰にも怒られない。だから23.4%という数字そのものより、残り121件がどこで止まったかのほうが情報量が多い。

未修了121件の内訳はこうなっている。

止まり方 人数
1本も終えずに停止 4人
1本だけ終えて停止 26人
途中(2本目〜最後の手前) 59人
全レクチャー完了、しかし修了試験が未了 32人

太字の2つが、この記事で言いたいことのほぼすべてだ。

26人は、教材を開いて、1本終えて、戻ってこなかった。32人は、最後まで見終えたのに、修了の手続きをしていない。修了した人が37人なので、「終わったのに終わっていない人」が、修了者とほぼ同数いることになる。

どちらも、内容が難しくて挫折した形ではない。前者は再開の問題で、後者は手続きの問題だ。

「7日間の計画」を立てても、その通りには進まない

学習を始めるときの定番は、1週間なり1か月なりの計画を立てることだ。実際のログはどうなっていたか。

レクチャーを2本以上完了した127件について、最初の完了から最後の完了までの期間を測った。

  • 中央値:0.02日(およそ30分)
  • 1日以内に終えた人:127人中108人
  • 7日を超えた人:7人

つまり、大半の人は「7日かけて進む」のではなく、座った1回で終わるところまで終えて、あとは戻らない。7日計画が失敗するのではなく、7日計画という形で進む人がそもそも少数派だった。

ここから導かれる指示は、かなり素っ気ない。計画を立てる時間があるなら、1本目を今日終えたほうがいい。 初日にどこまで行けるかが、実質的にその講座を終えるかどうかを決めている。

もちろん、これは「1日で全部やれ」という意味ではない。7日を超えて完走した7人も確かにいる。ただ、その7人になるつもりなら、次にどこから再開するかを、閉じる前に決めておく必要がある。1本だけ終えて消えた26人と、その7人を分けているのはそこだ。

では、何から始めるか

答えは「今日終えられる1本から」になる。言語選びは、その後でも取り返しがつく。

最初に触るのが変数・条件分岐・繰り返しであれば、その考え方はどの言語でもほぼそのまま使える。変数と型については、受講ログで見えた「型が変わる瞬間」のつまずき方、条件分岐はif文でつまずくのは「何と比べるか」、繰り返しと配列は最も再挑戦が多かった単元で、それぞれ実際に人がどこで止まっているかを書いた。3つを読んだら、JavaScript練習問題10問で手を動かして確かめられる。ナミノリのプログラミング入門講座は、コンピュータとプログラムの関係、変数、条件分岐、繰り返し、エラーとの付き合い方の5本で構成してある。5本というのは、この記事の文脈では意味のある数字だ。理由は次の節に出てくる。

始めるときに決めることは3つでいい。

  1. 今日終える1本を決める(章の途中で止めない。1本の終わりまで)
  2. 閉じる前に、次の再開位置を1行で書く(「次はL3の条件分岐から」で十分)
  3. 最後まで行ったら、修了の手続きまでやる(後述する32人にならないため)

計画表はいらない。上の3つは、どれも5分かからない。

本数が少ない講座ほど、修了率が高い

講座ごとに修了率を出すと、はっきりした傾向が出た。

講座 レクチャー本数 登録 修了 修了率
プログラミング入門 5 4 2 50.0%(n=4)
Web初級 8 60 15 25.0%
UNIX初級 7 27 6 22.2%
Ruby初級 12 33 4 12.1%
JavaScript初級 15 16 1 6.2%

本数が増えるほど修了率が下がる。8本で25.0%、12本で12.1%、15本で6.2%。

ただし、この表を「短い講座が優れている」と読むのは早い。登録数が少ない講座ほど、1人の増減で率が大きく動く。プログラミング入門の50%は登録4件のうち2件という意味で、これ単独では何も証明しない。n=60のWeb初級とn=16のJavaScript初級を同じ精度で比べることもできない。難易度の差もある。

それでも、登録数の多い3講座(Web初級60件、Ruby初級33件、UNIX初級27件)だけで見ても、8本25.0%・7本22.2%に対して12本12.1%と、傾向は同じ向きに出ている。

実用的な読み方はこうなる。最初に選ぶなら、本数の少ない講座を1つ終える。 15本の講座を選んで6.2%側に入るより、5本から8本の講座を1つ終えたほうが、「終わった」という状態に到達しやすい。長い講座は、1本終えた後のほうが向いている。

終わったのに、終わっていない32人

もう一度この数字を出す。全レクチャーを完了しているのに修了扱いになっていない人が32人。 修了した37人と、ほとんど変わらない規模だ。

何が起きているかというと、レクチャーを最後まで見終えた後に、修了試験が残っている。受講状況を見ると、合格36件に対して、受験中のまま止まっているものが46件ある(不合格は13件)。開始したが終わっていない、が最も多い。

これは学習内容の問題ではない。最後の一手続きを踏んでいないだけだ。にもかかわらず、本人の記録上は「終わっていない講座」として残り続けるし、次に進むきっかけも失われる。

心当たりがあるなら、いま開いて確認してほしい。新しい講座を始めるより、終わりかけの講座を終わらせるほうが早い。 残っているのは試験1つのはずだ。

つまずいた場所は、再挑戦の回数に出る

もう1つ、ログから分かることがある。完了した887レクチャーのうち、一発で合格したのは622。残りの265は2回以上挑戦している(最も多い人で14回)。

自分がどこで分かっていなかったかは、記憶より記録のほうが正確だ。2回以上かかった単元があるなら、そこが弱点になる。先へ進む前にその1本だけ戻ると、後の理解が変わる。

逆に言えば、1回で通った単元を復習し直す必要は薄い。やり直す範囲は、再挑戦した単元に絞っていい。

よくある質問

どの言語から始めるべきですか。
今の環境で理由がないなら、入門的な内容で変数・条件分岐・繰り返しに触れるところから始めれば十分です。この3つの考え方は言語を変えてもほぼそのまま使えます。勤務先や志望先で使う技術が決まっているなら、それを優先してください。

毎日続けられなかったら、最初からやり直しですか。
やり直す必要はありません。最後に終えた1本の次から再開してください。実データでは、1本だけ終えて戻らなかった人が26人います。再開を妨げているのは進度ではなく、「どこからやるか」を決めていないことのほうです。

独学だけでエンジニアになれますか。
この記事が扱っているのは最初の数時間の話で、就職の可否とは別の問題です。職業として目指す場合は、学習に加えて設計・テスト・成果物の説明が必要になります。そちらは12週間の学習ロードマップで別に扱っています。最初の1本と、応募に向けた準備を同じ到達点にしないでください。

修了率23.4%は低くないですか。
無料で期限のない講座なので、低めに出ます。申し込みのハードルがほぼ無く、未修了の中には現在進行中の人も含まれます。他社のスクールの完走率と直接比較できる数字ではありません。

まとめ|次の行動

  • 止まる場所は2つ。1本目の直後(26人)と、終えたのに修了手続きをしない地点(32人)
  • 学習期間の中央値は0.02日。7日計画通りに進む人はほとんどいない(7日超は127人中7人)
  • だから始め方は「計画を立てる」ではなく、今日1本終える/再開位置を1行で決める/最後は手続きまで終える
  • 最初は本数の少ない講座を1つ。長い講座は、1本終えた後のほうが向いている

まずはプログラミング入門講座の内容を見てほしい。5本構成で、第1レクチャーの目安は10分ほど。中身を確認してから、無料会員登録して1本目を終えるところまで進めば、今日の分は達成になる。


この記事の数値について

本文の数値は、ナミノリの本番データベースから2026年9月18日に集計した実測値(受講登録158件、レクチャー進捗904件)。無料講座のため申込のハードルが低く、学習期限も設けていないため、未修了には継続中の利用者が含まれる。講座別の修了率は登録数が少ないものを含むため、本文中にnを併記した。

参考資料

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