プログラミング学習 公開 2026.10.11

社会人のプログラミング独学は1日30分で足りる?受講ログで見た「2日目」と再開のルール

執筆・監修: 徐 聖博/株式会社シンシア 代表取締役社長

社会人のプログラミング独学は1日30分で足りる?受講ログで見た「2日目」と再開のルール

社会人のプログラミング独学は1日30分で足りるのか。ナミノリの受講ログ(登録124件・完了698件)では、1日に学ぶ量の中央値は目安16分で8割が30分以内。止まる原因は時間ではなく、7割が2日目に戻らないことでした。最初の講座の選び方と、休んだあとの再開のルールをまとめます。

社会人のプログラミング独学は、1日30分で足りるのか

仕事のあとに30分。社会人がプログラミングを独学するとき、まず思いつくのはこの形だろう。毎日続ければ、いずれ身につくはずだ。

ナミノリの無料講座の受講ログを見ると、半分は合っていた。1回あたりの量は、もう30分の内側に収まっている。止まっているのは別の場所だった。

この記事の数字は、ナミノリの本番データ(2026-10-11 時点)から取った。社内のテスト用アカウントを除いた講座への登録124件(受講者84人)、レクチャーの完了698件で、レクチャーを1本以上終えたのは81人。生年月日が登録されている77人のうち75人が23歳以上で、受講者の大半は働きながら学んでいる世代にあたる。

1回の量は、すでに30分以内だった

レクチャーには「目安◯分」が付いている。受講者がレクチャーを完了した日ごとに、その日に終えた分の目安時間を足すと、こうなる。

1日に終えた分(目安時間の合計) 日数
30分以内 98日
31〜60分 16日
60分超 11日

中央値は16分。125日のうち98日、約8割が30分以内だった。1日に終えたレクチャーの本数で見ても中央値は4本で、短いレクチャーを数本まとめて片づける使われ方が多い。

目安時間は講座側の見積もりで、実際にかかった時間ではない。それでも「30分では足りない」と心配する必要は、少なくともこの講座の範囲では薄い。

では、どこで止まっているのか。

7割の人は、2日目に戻ってこない

レクチャーを終えた日を人ごとに数えると、81人のうち57人、7割が1日だけだった。2日以上に分けて学んだのは24人。最も多い人でも7日で、それも1人しかいない。

「毎日30分」の計画は、2日目が来た人にしか効かない。そして2日目は、多くの人に来なかった。

ここで、2日に分けたのがよくなかったのではないか、と考えたくなる。データの切り方によっては、実際にそう見える。ただ、講座の長さをそろえて比べると、その差はほとんど消えた。

講座の長さ 1日で受講した登録 2日以上に分けた登録
8本以下 64件中15件が修了(23%) 7件中1件(14%)
9本以上 35件中2件(6%) 14件中1件(7%)

修了を分けているのは、日を分けたかどうかより、講座の長さのほうだった。8本以下の講座は73件中16件(22%)が修了し、9本以上は51件中3件(6%)にとどまる。

最初の1本は、30分で終わる講座にする

ナミノリの講座で、目安時間の合計が30分以内のものは次の2つ。

講座 本数 目安時間の合計
Web初級講座 8本 21分
UNIX初級講座 7本 29分
プログラミング入門講座 5本 56分
JavaScript初級講座 15本 58分

上の2つは、1回の30分で修了試験の手前まで届く。修了まで行った経験が一度あると、次の講座で何本目あたりがつらいのかが自分で読めるようになる。

プログラミング入門講座は56分。30分の枠なら2回になる。この2回目を「いつかやる」にしておくと、7割の側に入りやすい。1回目を終えたら、その場で2回目の日付を決める。曜日と時刻まで決めてしまう。

JavaScript初級講座の15本は、30分の枠で4回前後。受講した15件のうち修了は0件だった。長い講座は悪い講座ではない。ただ、独学の最初の1本には向かない。

休んだあとは、続きの1本から始める

1週間以上あいてから戻ってきたことは、5件の受講で6回あった。間隔は10日から227日まで。

戻ったあと、その講座で進めた本数は2本から13本。最初からやり直した形跡はなく、6回のうち5回は、戻って最初に取り組んだレクチャーを1回目の挑戦で合格していた。

戻るまでの間隔 休む前に終えた本数 戻ってから終えた本数
10日 2本 2本
12日 2本 5本(このあと227日あく)
19日 2本 4本
19日 4本 11本
20日 2本 13本
227日 7本(上と同じ受講) 4本

忘れているに違いない、と思って最初の回に戻る人は多いと思う。ログを見る限り、続きの1本は意外に解ける。わからなかったときに、ひとつ前の回へ戻れば足りる。

ただし、この6回のうち講座の修了まで届いたものはなかった。戻ること自体はできる。戻ったあと、修了までの残り本数をどう配分するかが、次の課題になる。

再開のルールを、先に決めておく

休む前に決めておけば、戻るときに迷わない。

  1. 戻る日は、続きの1本だけを予定に入れる。 30分の枠に何本入るかは考えない
  2. わからなければ、ひとつ前の回に戻る。 最初の回まで戻らない
  3. その日のうちに、次の日付を決める。 2日目が来ない、を繰り返さないため

学習の記録は、次の形で十分だ。きれいに書くことに時間を使わない。

日付:
講座と回:
今日わかったこと(1行):
まだわからないこと(1行):
次にやる回と、その日付:

最後の行が、この記録の本体である。

よくある質問

平日に30分も取れない週はどうするか。
週末に1回でよい。ログで見た1回の量の中央値は16分で、30分の枠を毎日埋めている人はほとんどいない。予定に入れるのは時間ではなく、続きの1本にする。

1日でまとめて進めてしまうのはよくないか。
講座の長さをそろえると、1日で受講しても2日以上に分けても、修了の割合はほぼ同じだった。短い講座を1日で終えるのは、むしろ修了しやすい形である。

長い講座から始めたい場合は。
止めはしない。ただ、30分の枠で何回かかるかを先に数えて、その回数分の日付を最初に決めておく。JavaScript初級講座なら4回前後になる。

まとめ

仕事のあとの30分は、量としては足りている。受講者の8割は、もうその範囲で学んでいた。足りていなかったのは2日目で、81人のうち57人には来なかった。

最初は30分で終わる講座を1本、修了まで終わらせる。長い講座は、2回目の日付をその場で決める。休んだら、続きの1本から始める。

どの講座から始めるかは、講座一覧で目安時間を見て決められる。

参考資料

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