社会人のプログラミング独学は1日30分で足りる?受講ログで見た「2日目」と再開のルール
執筆・監修: 徐 聖博/株式会社シンシア 代表取締役社長
社会人のプログラミング独学は1日30分で足りるのか。ナミノリの受講ログ(登録124件・完了698件)では、1日に学ぶ量の中央値は目安16分で8割が30分以内。止まる原因は時間ではなく、7割が2日目に戻らないことでした。最初の講座の選び方と、休んだあとの再開のルールをまとめます。
目次
社会人のプログラミング独学は、1日30分で足りるのか
仕事のあとに30分。社会人がプログラミングを独学するとき、まず思いつくのはこの形だろう。毎日続ければ、いずれ身につくはずだ。
ナミノリの無料講座の受講ログを見ると、半分は合っていた。1回あたりの量は、もう30分の内側に収まっている。止まっているのは別の場所だった。
この記事の数字は、ナミノリの本番データ(2026-10-11 時点)から取った。社内のテスト用アカウントを除いた講座への登録124件(受講者84人)、レクチャーの完了698件で、レクチャーを1本以上終えたのは81人。生年月日が登録されている77人のうち75人が23歳以上で、受講者の大半は働きながら学んでいる世代にあたる。
1回の量は、すでに30分以内だった
レクチャーには「目安◯分」が付いている。受講者がレクチャーを完了した日ごとに、その日に終えた分の目安時間を足すと、こうなる。
| 1日に終えた分(目安時間の合計) | 日数 |
|---|---|
| 30分以内 | 98日 |
| 31〜60分 | 16日 |
| 60分超 | 11日 |
中央値は16分。125日のうち98日、約8割が30分以内だった。1日に終えたレクチャーの本数で見ても中央値は4本で、短いレクチャーを数本まとめて片づける使われ方が多い。
目安時間は講座側の見積もりで、実際にかかった時間ではない。それでも「30分では足りない」と心配する必要は、少なくともこの講座の範囲では薄い。
では、どこで止まっているのか。
7割の人は、2日目に戻ってこない
レクチャーを終えた日を人ごとに数えると、81人のうち57人、7割が1日だけだった。2日以上に分けて学んだのは24人。最も多い人でも7日で、それも1人しかいない。
「毎日30分」の計画は、2日目が来た人にしか効かない。そして2日目は、多くの人に来なかった。
ここで、2日に分けたのがよくなかったのではないか、と考えたくなる。データの切り方によっては、実際にそう見える。ただ、講座の長さをそろえて比べると、その差はほとんど消えた。
| 講座の長さ | 1日で受講した登録 | 2日以上に分けた登録 |
|---|---|---|
| 8本以下 | 64件中15件が修了(23%) | 7件中1件(14%) |
| 9本以上 | 35件中2件(6%) | 14件中1件(7%) |
修了を分けているのは、日を分けたかどうかより、講座の長さのほうだった。8本以下の講座は73件中16件(22%)が修了し、9本以上は51件中3件(6%)にとどまる。
最初の1本は、30分で終わる講座にする
ナミノリの講座で、目安時間の合計が30分以内のものは次の2つ。
| 講座 | 本数 | 目安時間の合計 |
|---|---|---|
| Web初級講座 | 8本 | 21分 |
| UNIX初級講座 | 7本 | 29分 |
| プログラミング入門講座 | 5本 | 56分 |
| JavaScript初級講座 | 15本 | 58分 |
上の2つは、1回の30分で修了試験の手前まで届く。修了まで行った経験が一度あると、次の講座で何本目あたりがつらいのかが自分で読めるようになる。
プログラミング入門講座は56分。30分の枠なら2回になる。この2回目を「いつかやる」にしておくと、7割の側に入りやすい。1回目を終えたら、その場で2回目の日付を決める。曜日と時刻まで決めてしまう。
JavaScript初級講座の15本は、30分の枠で4回前後。受講した15件のうち修了は0件だった。長い講座は悪い講座ではない。ただ、独学の最初の1本には向かない。
休んだあとは、続きの1本から始める
1週間以上あいてから戻ってきたことは、5件の受講で6回あった。間隔は10日から227日まで。
戻ったあと、その講座で進めた本数は2本から13本。最初からやり直した形跡はなく、6回のうち5回は、戻って最初に取り組んだレクチャーを1回目の挑戦で合格していた。
| 戻るまでの間隔 | 休む前に終えた本数 | 戻ってから終えた本数 |
|---|---|---|
| 10日 | 2本 | 2本 |
| 12日 | 2本 | 5本(このあと227日あく) |
| 19日 | 2本 | 4本 |
| 19日 | 4本 | 11本 |
| 20日 | 2本 | 13本 |
| 227日 | 7本(上と同じ受講) | 4本 |
忘れているに違いない、と思って最初の回に戻る人は多いと思う。ログを見る限り、続きの1本は意外に解ける。わからなかったときに、ひとつ前の回へ戻れば足りる。
ただし、この6回のうち講座の修了まで届いたものはなかった。戻ること自体はできる。戻ったあと、修了までの残り本数をどう配分するかが、次の課題になる。
再開のルールを、先に決めておく
休む前に決めておけば、戻るときに迷わない。
- 戻る日は、続きの1本だけを予定に入れる。 30分の枠に何本入るかは考えない
- わからなければ、ひとつ前の回に戻る。 最初の回まで戻らない
- その日のうちに、次の日付を決める。 2日目が来ない、を繰り返さないため
学習の記録は、次の形で十分だ。きれいに書くことに時間を使わない。
日付:
講座と回:
今日わかったこと(1行):
まだわからないこと(1行):
次にやる回と、その日付:
最後の行が、この記録の本体である。
よくある質問
平日に30分も取れない週はどうするか。
週末に1回でよい。ログで見た1回の量の中央値は16分で、30分の枠を毎日埋めている人はほとんどいない。予定に入れるのは時間ではなく、続きの1本にする。
1日でまとめて進めてしまうのはよくないか。
講座の長さをそろえると、1日で受講しても2日以上に分けても、修了の割合はほぼ同じだった。短い講座を1日で終えるのは、むしろ修了しやすい形である。
長い講座から始めたい場合は。
止めはしない。ただ、30分の枠で何回かかるかを先に数えて、その回数分の日付を最初に決めておく。JavaScript初級講座なら4回前後になる。
まとめ
仕事のあとの30分は、量としては足りている。受講者の8割は、もうその範囲で学んでいた。足りていなかったのは2日目で、81人のうち57人には来なかった。
最初は30分で終わる講座を1本、修了まで終わらせる。長い講座は、2回目の日付をその場で決める。休んだら、続きの1本から始める。
どの講座から始めるかは、講座一覧で目安時間を見て決められる。
参考資料
- ナミノリ 講座一覧:https://naminori.xincere.jp/courses
- ナミノリ Web初級講座:https://naminori.xincere.jp/courses/2
- ナミノリ UNIX初級講座:https://naminori.xincere.jp/courses/1
- ナミノリ プログラミング入門講座:https://naminori.xincere.jp/courses/12
- ナミノリ JavaScript初級講座:https://naminori.xincere.jp/courses/4
無料の学習講座で、いまから手を動かす
AI開発からWeb開発まで、未経験でも進められる講座を無料で公開しています。
会員登録(無料) すると、気になる求人の保存と講座の受講履歴の記録ができます。
この順番で合っているか、確認しませんか
学習の順番は、目指す職種によって変わります。いま考えている進め方を書いて送ってもらえれば、無料講座の内容と実際の求人要件に照らして返答します。
相談を書いて送る(無料・会員登録なし)返答までお時間をいただくことがあります。
新着記事
社会人のプログラミング独学は1日30分で足りる?受講ログで見た「2日目」と再開のルール
社会人のプログラミング独学は1日30分で足りるのか。ナミノリの受講ログ(登録124件・完了698件)では、1日に学ぶ量の中央値は目安16分で8割が30分以内。止まる原因は時間ではなく、7割が2日目に戻らないことでした。最初の講座の選び方と、休んだあとの再開のルールをまとめます。
初めてのWebアプリの作り方|追加・削除・保存ができる学習メモを1ファイルで作る。講座が関数で終わった、その次の1本
初めてのWebアプリを、追加・削除・保存(localStorage)だけの学習メモで作ります。index.html 1ファイルで、空の入力・保存の失敗・壊れた保存データまでわざと起こして確かめるテスト表つき。ナミノリのJavaScript初級講座は関数で終わり、画面を持つものを作る回がありません。その次に作る1本です。
APIとは?初心者向けに、JSONの取得と「失敗したとき」を動かして解説。ナミノリの求人検索にも抜けていた response.ok
APIは、プログラム同士がデータ(JSON)をやり取りする窓口です。ナミノリの求人検索の裏で動く件数APIをNetworkタブで確かめ、自分のパソコンだけでJSONを取得するページを作ります。fetchは404でも失敗にならないため、response.ok・データの形の確認・catch・finallyで失敗に備える書き方を、わざと壊して確かめます。
Webの仕組みを初心者向けに解説|URLを打ってから画面が出るまでを、実際の通信で確かめる。GETとPOSTはデータ量で選ばない
URLを打ってから画面が出るまでの「DNS・リクエスト・レスポンス・表示」を、ナミノリのサイトとChromeのNetworkタブで実際に確かめます。ステータスコード200・301・404の見方と、GETとPOSTの選び方(取ってくるか、変えるか)も解説。講座の確認テストにあった誤りの訂正つき。