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学ぶ目的
頭の中の設計は、すぐ消える
第2〜7回で決めたことは、書き残さないと3週間後の自分にも説明できません。残し方は2つで足ります。
ER図:データの形を1枚にする
エンティティと関係を図にしたものをER図と呼びます。手描きでもかまいませんが、文字で書いておくとAIにもそのまま渡せます。たとえば Mermaid という書き方では、こう書きます。
erDiagram
COMPANY ||--o{ JOB : "掲載する"
JOB_SEEKER ||--o{ APPLICATION : "応募する"
JOB ||--o{ APPLICATION : "応募される"
||--o{ は「1対多(多の側は0件もありうる)」という意味です。GitHub などはこの文字をそのまま図として表示します。
決定記録:なぜそうしたかを残す
図は「何を決めたか」を残せますが、「なぜそうしたか」は残せません。そこで、大事な決定ごとに短い文章を残します。決定記録(ADR)と呼ばれる形です。
# 注文に、注文時の単価を持たせる
状況: 商品の価格は改定される。注文は商品の現在価格を参照していた
決定: 注文に注文時の単価を写して残す
理由: 値上げで過去の注文の金額が変わってしまうため(600 → 700 を確認)
諦めたこと: 価格を直すときに、注文側は直らない(直さないのが正しい)
「諦めたこと」を書くのがポイントです。設計は選択なので、必ず何かを諦めています。それを書いておくと、後から来た人が「なぜこうなっていないのか」で迷いません。
AIに設計を相談するとき
AIは、表の案もクラスの分け方もすぐに出します。でも第1回で見たとおり、AIはあなたの業務のルールを知りません。相談するときは、次の3つを渡します。
- 作りたいものの文章(第2回で書いたもの)
- 業務のルール(同じ求人に2回応募できない、など)
- いまのER図と、決定記録
そのうえで「この設計で、あとから困る問いはあるか」「1つの事実が2か所にないか」と、この講座で学んだ観点で質問します。AIの答えを採用するかどうかは、決定記録に理由を書けるかで判断します。理由を書けない案は、まだ採用しません。
この講座のまとめ
- 変えにくいデータの形から先に決める
- 業務の言葉で名詞を拾い、関係を数え、間の出来事を見つける
- 1つの事実は1か所に。崩すなら元を決めて仕組みで合わせる
- 状態だけでなく、あとで聞かれる出来事とその時点の値を残す
- 役割と変わる理由で分け、中心は外側の道具を知らない
- 決めたことと、その理由・諦めたことを書き残す
このレクチャーで学ぶこと
- ER図でデータの形を残す
- 決定記録で「なぜ」と「諦めたこと」を残す
- AIに設計を相談するときに渡すもの
- 講座のまとめ
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