SESはやめとけと言われる7つの理由|実態と後悔しない企業の選び方
本当にやめるべきかは企業次第
「SESはやめとけ」と言われる7つの理由を、業界構造から丁寧に解説します。案件ガチャや給与の伸びにくさなどの実態と、優良SES企業の存在、SESが合う人の特徴まで公平に整理。未経験からエンジニアを目指す方が後悔しない判断をするための記事です。
目次
SESはやめとけと言われる7つの理由|実態と後悔しない企業の選び方
「SES やめとけ」。そう検索してこのページを開いたなら、画面にはもう十分な数の警告が並んでいたはずだ。多重下請け、案件ガチャ、スキルが積めない——読むほどに、飛び込む前に気づけてよかった、と胸をなでおろしたくなる。
ただ、その警告のほとんどは主語が抜けている。「SESは」やめとけなのか、「見極めずに選んだSESは」やめとけなのか。同じ言葉に見えて、指している範囲はまるで違う。
避けるべき企業は実在する。構造的な課題も、気の持ちようでは消えない。だが同じSESから始めて、いま現場の中心で動いているエンジニアも同じくらい実在する。両方が本当なら、明暗を分けているのは「SESかどうか」ではなく、その手前にある何かだ。
まずは「やめとけ」と言われる7つの理由を、割り引かずにそのまま並べる。そのうえで、それが企業ごとにどう化けるのかを見ていく。読み終える頃には、あなたが避けるべきなのはSESそのものではない、と分かるはずだ。
「SESはやめとけ」と言われる7つの理由
悪い評判の出どころを、7つ、正面から見ておく。どれも作り話ではない。
理由1:多重下請け構造で給与が上がりにくい
日本のIT業界は、元請けから二次請け、三次請けへと仕事が流れていく。商流が一段深くなるたびに中間マージンが引かれ、末端で実際に手を動かすエンジニアに届く額は薄くなる。頑張りが足りないのではない。頑張りが評価される前に、金額が何段も上で目減りしている。下位の商流ばかりを請ける企業では、この構造から抜け出しにくい。
理由2:案件ガチャ(配属先を選べない)
配属先を自分で選べない会社では、希望と違う現場に長く座らされることがある。「開発がやりたくて入ったのにテストばかり」「気づけばExcelを触る毎日だった」——こうした嘆きの多くは、能力の問題ではなく、この案件ガチャから来ている。引いた案件がハズレでも、引き直せないのが厄介なところだ。
理由3:スキルが身につかない案件がある
監視オペレーターや単純なテスト実行のように、続けても技術が伸びにくい案件も確かにある。問題は、その現場にいる間も時間だけは平等に過ぎることだ。市場価値が止まったまま年齢だけ上がっていく——この静かなリスクは、渦中にいると気づきにくい。
理由4:帰属意識を持ちにくく孤独になりやすい
客先に常駐すると、自社の同僚と顔を合わせる機会がめっきり減る。評価もキャリア相談も手薄になり、困ったときに気軽に聞ける相手が近くにいない。技術的なつらさより、この孤独のほうが先に効いてくる、という声は少なくない。
理由5:正当に評価されにくい場合がある
現場での奮闘を、自社の上司は直接見ていない。すると評価の物差しが「単価が上がったか」だけに寄っていく会社が出てくる。昇給の根拠を尋ねても明確な答えが返ってこない——評価制度が言葉になっていない企業ほど、この不透明さは濃くなる。
理由6:雇用が案件に左右される
案件が終わり、次の現場が決まるまでの「待機期間」が生じることがある。このとき給与がどう扱われるかは、会社によってまるで違う。全額保障されるのか、それとも削られるのか。ここは入社前に必ず確かめておきたい一点だ。
理由7:偽装請負など法令違反のリスクがある企業も存在する
準委任契約なのに常駐先が直接指示を出す「偽装請負」、経歴を盛って現場へ送り込む「経歴詐称の強要」。数は多くないが、コンプライアンス意識の低い企業は一部に確かにいる。この7つ目だけは、見極めの対象ではなく、見つけたら明確に避けるべき一線である。
実際は「企業次第」である理由
並べた7つを読み返すと、あることに気づく。どれも「SESという仕組みそのもの」の欠陥ではなく、「一部の企業の運用」の話だということだ。同じSESでも、企業が変われば景色はここまで変わる。
| 項目 | 課題のある企業 | 優良なSES企業 |
|---|---|---|
| 商流 | 三次請け以下が中心 | 元請け・二次請けが中心 |
| 案件 | 会社都合でアサイン | 案件選択制・希望を考慮 |
| 単価 | 非公開 | エンジニアに公開・還元率を明示 |
| 評価 | 基準が不透明 | 評価制度と昇給ルールが明文化 |
| 育成 | 研修なし・現場任せ | 自社研修・資格支援あり |
| 待機 | 給与カットの恐れ | 給与全額保障 |
左の列と右の列は、同じ「SES」という三文字でくくられている。正確に言い直すなら、「SESはやめとけ」ではなく「見極めずにSES企業を選ぶのはやめとけ」だ。その見極め方は、未経験者向けのエンジニア求人は怪しい?でも具体的に触れている。
優良SES企業は確実に存在する
近ごろは、単価を公開し高い還元率をうたうSES企業や、案件選択制を敷く企業が目に見えて増えてきた。エンジニアが足りない以上、待遇を上げなければ人が定着しない——そういう時代の圧力が、企業側を動かしている。
見落とされがちだが、SESは「未経験者が実務経験を積める、数少ない入口」でもある。自社開発企業の未経験採用は狭き門だ。一方SESなら、研修を受けながら現場に立ち、2〜3年で「経験者」として市場に出直せる道が現実に描ける。事実、SESを振り出しに自社開発やフリーランスへ移ったエンジニアは、決して珍しくない。
SESが合う人・合わない人
同じ働き方でも、合うかどうかはキャリアの段階と志向で変わる。ここは自分の現在地に引きつけて読んでほしい。
- 合う人:実務未経験で、まず経験そのものを積みたい人。多様な現場で幅を広げたい人。環境が変わることを負担ではなく刺激と感じる人。
- 合わない人:ひとつのプロダクトに腰を据えて長く関わりたい人。自社サービスを企画から育てたい人。すでに十分な実務経験があり、次は環境より役割で選びたい人。
「SESはやめとけ」という三文字の警告は、半分だけ正しい。残りの半分は、見極めさえすれば自分の側で書き換えられる。未経験からのキャリア設計そのものは未経験からITエンジニアになるにはを、20代での転職戦略はエンジニアへの転職を20代で成功させるにはをあわせて読んでほしい。